一級建築士事務所が掲げた3軸の強化ースター・ウェッジが仕掛ける〝エヴォルブ戦略〟とは
写真はすべて札幌市中央区のモデルハウス
注文住宅の設計・施工の一級建築士事務所「スター・ウェッジ」(本社・札幌市)。特にラグジュアリー住宅としての評価が高く、急速に知名度を拡大している。そんな同社が仕掛ける「エヴォルブ戦略」について、新進気鋭の経営者である横田知朗社長に聞いた。
クオリティを重視。1軒1軒が真剣勝負
――まずは御社の事業内容を教えてください。
横田 2012年に建築事務所として開業しました。以来、注文住宅の設計・施工をメインにしており、年間15棟前後を手掛けています。「富裕層をターゲットにしている」と言われることが多いのですが、結果的にそうなっているだけで特化しているわけではありません。ただ、当社施工物件の平均床面積が213・0平方㍍となり、昨年度の戸建注文住宅部門で札幌市ナンバーワン(建設新聞調べ)を獲得しました。業界では注目されている数字で、当社への注目度も一気に高まったと感じています。
――何が評価を得ているのでしょうか。
横田 ハード面ではデザインでしょうか。ひと言で言うと「かっこいい」「ハイセンス」ですが、細かく言うと「モダン」や「ラグジュアリー」という言葉をいただくことが多いですね。見た目はもちろん、細かな部分にも〝高級感〟にこだわっていることが支持されているのだと思います。
ソフト面では、スタッフの接客や対応などの教育を徹底して行っています。家を建ててもらうわけですから、打ち合わせの際も家にいるような落ち着ける空間づくりを意識して、〝アットホーム〟な印象を味わってもらえるように配慮しています。
――販売する住宅で最も重要視している部分は?
横田 コロナ禍の時に販売する価格帯を下げたのですが、受注が伸び悩んでしまいました。それで路線をもとに戻して、〝1軒1軒が真剣勝負〟のクオリティ重視の住宅を手掛けています。オーナーは企業経営者や医者などが多いですが、友人や同僚がお宅を訪問された際に気に入ってくださることが多いようで、紹介が紹介を呼ぶということもよくあります。
進化を遂げるため掲げる3つの成長戦略
――来年で創業15周年を迎えますが、掲げている「エヴォルブ戦略」について教えてください。
横田 今も、これからも、いつまでも選ばれる企業でいるためには進化が必要で、そのために掲げたのが「エヴォルブ戦略」です。「Evolve」とは、進化を表す「evolution」をもとにした造語で、〝徐々に発展する〟という意味で名付けました。当社をより進化させるために、この戦略の核としているのが「高価格帯住宅の高品質化」「BtoB事業の強化」「商圏の拡大」の3つです。
コアコンピタンスの住宅事業では、住宅を時代に合わせて常に進化させていますが、特にゲリラ雷雨や酷暑、地震の発生など自然環境が厳しくなる中で、ここ1〜2年は工法を変更するなどして、耐震性や耐久性を高めた住宅を提供しています。こうした対策も顧客に支持されている理由ですが、今後も環境の変化に合わせて、安全で快適な暮らしができるように高品質化を進めていきたいと考えています。
また、5年前に特定建設業のライセンスを取得しており、住宅建設の傍らパイロット的に店舗や事務所、商業施設などの建設や内装工事などを手掛けています。こうしたBtoB事業を拡大して、もう一つの事業の柱にしたいというのが2つ目の戦略です。直近ではコンパクトホテルの建設にも携わっており、シリーズ化の計画もあります。これまで住宅建設で築いた知識や技術、デザイン力を駆使して事業の拡大に繋げたいと思っています。
3つ目の「商圏の拡大」については、東京都品川区にオフィスを開設しており、関東圏への本格進出を計画しています。まだ情報収集の段階ですが、マンションの供給が多い首都圏で注文住宅の受注を獲得するには、ハードルも高いと感じています。しかし、首都圏にはハイクラスな層も多く、チャンスがあると思っています。小さく始めて少しずつ育てていきたいと考えています。
――この3つの戦略で、進化を遂げていくと。
横田 そうですね。どんな人にも当てはまりますが、住む場所が疎かになってはいけないと考えています。例えば、私なら「せっかく住宅を買うのなら、長く快適に住める良いものを買いたい」と思います。住宅に求めるものは人それぞれですが、それぞれの要望に応えながら常に進化を遂げていきたいですね。
(聞き手・氏家)