新札幌乳業
道産乳製品の魅力を全国へ訴求し、新規市場を開拓
独立系乳業メーカーとして、70年以上の歴史を誇る「新札幌乳業」。〝生活者満足〟の追求を経営の原点に据え、北海道発の乳製品づくりを続けてきた。
少子化などを要因に、全国的に乳製品市場が縮小傾向にある中、重視するのが牛乳販売量の維持と、生乳加工を通じた乳製品の魅力発信だ。
竹内久夫社長は「牛乳、チーズ、ヨーグルト、バターなどを独自商品としてブランド化し、北海道の魅力を発信することで、新たな市場開拓に取り組んでいます」と語る。
その象徴的なブランドが「小林牧場物語」シリーズだ。江別市にある小林牧場から毎日届けられる生乳を100%使用し、牛乳本来の風味を生かした味づくりにこだわる。商品は牛乳をはじめ、ヨーグルト、ナチュラルチーズなどをラインナップし、全国へ展開している。
近年は、地域の飲食店との連携強化にも注力。「小林牧場物語」の牛乳やチーズ、同社製造の原材料を活用し、新メニューの考案にも取り組んでいる。
札幌市内のイタリアン料理店「クッチーナ」と「ミア・ボッカ」では、同ブランドのブルーチーズを使ったピザやラザニアを開発した。
メニュー開発に携わった同社営業部の中島萌々香さんは「消費者との顧客接点を増やしつつ、飲食店側のユーザー満足度向上にもつなげたい。乳製品の消費拡大を目指します」と語る。
また、地域貢献活動にも積極的だ。2018年から「あつべつ食の文化祭」に出展。厚別区内の企業が生産する食品や生産者の認知を目的に、自社商品の販売に加え、製造工程を紹介するパネル展示、近郊の教育機関や企業との協働企画、ステージイベントなどを実施してきた。
25年12月22日には、新さっぽろサンピアザ内の「光の広場」で開催。今回は札幌東商業高校や地域企業との共同開催という新たな形も実現し、地域との結びつきを一層強めた。
26年はこれら取り組みに加え、新たな戦術として販路開拓に着手する。
中島さんは「25年はインバウンド需要を取り込むため、高付加価値の商品を軸に、ニセコエリアの商圏拡大を行いました。今後、インバウンドによる人流変化を見据え、富良野エリアなどを中心に、商品の提案をしていきます」と語る。
また、関東圏が中心だった道外販路を西日本へ拡大させる。特にナチュラルチーズの展開が限定的な九州地方に商機を見いだし、道産乳製品の価値を訴求し、新たな需要の掘り起こしを進めていく。
竹内社長は「乳業メーカーとしての責任と誇りを胸に、全てのステークホルダーに向けた価値創出を図りたい」と意気込む。