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ダイワ工業

木目調が新鮮なウッドボックス

業者間の垣根を越えて連携。技術交流で試作品も開発中

「ダイワ工業」は、豪雪地帯である美唄市を拠点に、雪に強いアイアンガレージ(鉄製ガレージ)や物置、カーポートの企画・製造、施工を手掛ける。一般には販売せず工務店や商社をメインターゲットにしている黒子企業で、販売実績は年間1800棟を超える。

 顧客から支持される理由は高いデザイン性にある。製品はオーダーメードで、アルミ製とは異なる〝無骨〟な質感には切削や切断、曲げ、溶接といった技術が生かされている。

 住宅の外壁に合わせられるようブラックやブラウンなどカラーバリエーションも豊富。出入り口の増設や窓の設置などさまざまなオプションがあり、高級注文住宅との相性も良い。

 もちろん変形地や狭小地などにも柔軟に対応し、世界中のどこにもない一点物の依頼も多い。

 業務管理部の小澤一部長は「常に新商品の投入を続けています。現在は『ウッドボックス』が好評です。ガレージや物置として利用でき、木目調を基調としたワンランク上の内外観が特徴です。長い庇が日除けになるなど実用性も高い」と語る。

 同社では、エクステリア業界を盛り上げるべく、競合他社ともタッグを組む。今年からカーポートの設計・製造・施工の道内大手「中川製作所」(本社・帯広市)と技術交流を開始。12月には共同制作した試作品が完成する。

 小澤部長は「双方がアイデアを出し合い、新たなガレージや物置、カーポートを開発中です。両社が有する技術をコスト度外視で惜しみなく投入します。他のどこにもない高品質なアイテムになる」と期待を寄せる。

 また2020年にリリースした家具ブランド「ando....」は、高価格帯の商品ながら、一般住宅はもちろんオフィスや店舗での利用が拡大している。これまで積み重ねてきた金属加工技術を応用したもので、木材との融合が図られており、無機質な空間になりがちなガレージや物置内のトータルコーディネートも可能だ。

 荘司光哉社長は「26年は節目の40周年を迎えます。ものづくりの会社では営業や製造、施工と細分化する傾向にありますが、当社では社員のスキルアップと働き方改革による残業抑止の観点から、一部社員のジョブローテーションやマルチタスクが可能な多能工化を進めています。少数精鋭のものづくり集団として、今後も住宅産業やエンドユーザーのライフスタイルを支えていく」と語る。

 

荘司光哉社長
小澤一部長
技術を生かし、オフィス家具を製作
社名プレートや受付カウンターなども自社で製作