ほっかいどうデータベース

ティーアール

ベンディングマシンと並ぶ徳家義従社長

北海道発の技術と設備で業界発展に尽力する

「ティーアール」は〝信頼される技術〟をモットーに、屋根・外壁工事全般や板金資材販売を担う。主に漁港施設や学校、大型商業施設など、年間で60案件以上をコンスタントに手掛けている。

 今年5月には、全日本板金工業組合連合会が主催する「第75回全国建築板金業者 島根大会」に出場した。同大会は、全国から有数の板金企業が集まり、2日間にわたって製品や技術力を発信する大規模なイベントだ。

 徳家義従社長は「板金職人は薄い金属板を切断、折り曲げ、溶接などの加工技術を駆使してさまざまな製品や部品を製作する専門家です。当社の分野は『建築板金』ですが、大会に参加して改めて北海道の板金技術のレベルも高いと感じました」と語る。

 その1つが積雪寒冷地ならではの特性だ。

 例えば、無落雪屋根の一種である「スノーダクト工法」は、屋根のM字型中央の溝に雪を溜め、自然の融雪やヒーターで溶かした雪解け水を排出する工法。落雪やつららの心配がない一方で、ダクトに落ち葉やゴミが詰まると排水不良を起こし「すが漏り」発生の原因にもなる。

「スノーダクト工法はどうしても雨漏りが起きやすい。しかし、それをいかに防ぐかを常に道内の板金企業は探求しています。最先端の鋼板素材や防水技術を取り入れるなど、試行錯誤を繰り返す事により、おのずと板金技術のレベルが引き上がるのではないでしょうか」と徳家社長は分析する。

 一方で同社は、技術力向上だけではく、常に新しい挑戦も続けている。近年、最も注力しているのが〝デジタル板金工場〟の実現だ。

 同社では加工プロセスの自動化や合理化だけでなく、情報共有や課題の抽出と改善、業務改革の手段としてAIを用いたデジタル技術を活用している。2023年には、金属を曲げ加工する最新の「ベンディングマシン」も導入した。

 これにより、ベンディング工程の自動化を含む板金加工体制を発注先の要望に合わせて、最適な構築をする事に成功。さらに、加工技術やノウハウのデータ化や蓄積、共有を社内で行う事で、少量多品種生産から量産品まで対応できる体制を整え、業績の向上にも大きく寄与している。

 道内板金業界でデジタル化の先陣を切る徳家社長。革新的な経営と北海道発の技術で、〝理想の板金屋〟を追い求めていく。

 

タッチパネル式で操作も簡易
今年5月には全国建築板金業者島根大会に出場