パートナーズ北海道 社長 齊藤 優作氏

企業の成長を支える〝採用×販促〟の新戦略
採用と販促の両輪で北海道企業を支援
――まず、創業の経緯についてお聞かせください。
齊藤 大学卒業後、リクルート北海道じゃらんに入社し、道内各地の企業を訪問しました。その時に、人材不足が厳しい経営環境をつくっている現実を目の当たりにしました。「この課題を克服しなければ北海道の未来は開けない」と強く感じたのが原点です。その後、マイナビに転職し、東京で求人・採用領域を学び、実務経験を重ねました。北海道を離れたことで地元の魅力を再認識し「この経験を地元企業のために生かしたい」と思いUターン。2019年に「パートナーズ北海道」を創業しました。掲げるビジョンは〝北海道に必要とされる企業ナンバーワン〟。企業や自治体の人材活用やマーケティング支援を通じ、地域経済に貢献したいと考えています。
――事業内容について教えてください。
齊藤 「採用支援サービス」と「販促支援サービス」の2本柱です。採用支援では、採用代行を中心に展開しています。道内の中小企業では採用専任の担当者や部署が不足していることが多いのが実状です。私自身が企業の採用担当者として入り込み、戦略設計から求人媒体の選定、説明会や面接まで一貫して伴走します。単なるコンサルではなく、実務を担う点が特徴で、採用力を一気に底上げできるのが強みです。
――採用代行は今も主力事業ですか。
齊藤 はい。ただ、新規案件を積極的に増やすことはしていません。採用代行はノウハウが属人的になりやすく、私一人ではキャパシティの限界もあります。今後は、私しかできない領域に依存せず、組織として拡張性のある事業へシフトしたいと考えています。
――そこで新たに注力されているのが販促支援なんですね。
齊藤 そうです。昨年から本格的にスタートした「動画広告サービス」を今後の主力事業と位置づけています。採用支援を行う中で「企業認知度が低いと採用は成功しない」と痛感しました。いくら待遇や社風が良くても、まず知ってもらえなければ始まりません。逆に認知度が高まれば、採用も営業も加速します。そこから自然と広告領域にも事業が広がりました。
――動画広告を軸にした理由は。
齊藤 静止画や検索連動型広告に比べ、動画広告は情報量が多く記憶に残りやすい。採用力と営業力の両方を高め、企業の魅力を直感的に伝えられるのが大きな武器。ユーチューブやフェイスブック、インスタグラム、ティックトックなど配信先も多様化し、SNS広告需要は確実に拡大しています。地方企業にとってはまだ導入ハードルが高い分、差別化の余地も大きい。札幌で動画広告を専門的に手掛ける会社はまだ少なく、優位性を発揮できると考えています。
――動画広告サービスの特徴は。
齊藤 一番の特徴は、広告の制作から運用までをワンストップで担える〝一貫体制〟です。大手代理店では制作と運用が分業されることが多いのですが、当社では一本化。要望を直接ヒアリングし、動画制作から広告運用まで責任を持って行います。さらにGoogle認定パートナーとして運用スキルも備えており、効果を実感いただける仕組みです。
〝動画制作だけお願いしたい〟というご依頼も多くいただいています。企業紹介や採用動画、商品PR、イベント告知など幅広いニーズに対応可能です。これまでに医療法人や不動産会社、製菓メーカー、スーパーなど、業種を問わずさまざまな道内企業様にご利用いただいています。広告運用が前提でなくても、動画制作単体のご相談でも安心してお任せください。
――最近注目のTVer広告にも取り組んでいるそうですね。
齊藤 TVerは近年市場が急拡大しているインターネットに接続したテレビを通じて配信されるCTV広告の中心です。テレビCMとネット広告の〝いいとこどり〟の媒体で費用対効果が高く、ターゲティングも細かく設定できます。例えば〝札幌市在住30代男性で情報番組を好む層〟といったセグメントに配信できます。無差別に広く届けるテレビCMとは違い、本当に届けたい層に狙って発信できるのが強みです。地方企業には非常に相性の良い媒体だと思います。
――採用と販促を組み合わせる発想は珍しいですね。
齊藤 そうかもしれませんが、この2つは切り離せない関係だと考えています。企業認知度が上がれば応募が増え、採用が成功する。人材が集まれば事業が拡大し、広告効果も高まる。まさに人と広告は企業成長の両輪です。当社はその両面から支援することで、道内企業の発展に総合的に寄与したいと考えています。
――今後の展望は。
齊藤 短期的には動画広告を道内にもっと浸透させたいですね。特にTVerやショート動画はまだ新しい領域ですので、先行して取り組むことで企業に大きなアドバンテージをもたらせるはずです。単なる人材会社でも広告会社でもなく、企業成長を総合的に支えるパートナーとして存在感を示していきたいです。
――最後に読者へのメッセージをお願いします。
齊藤 北海道には素晴らしい企業が数多くありますが、その魅力が十分に伝わっていないのが現状です。「人が集まらない」「広告を出しても効果がない」と悩んでいる企業こそ、ぜひ一度ご相談ください。採用も広告も現場を熟知し、これまで医療・流通・製造・不動産など多様な業種の企業様と伴走してきた実績があります。だからこそ業界特有の課題にも柔軟に対応できるのが当社の強みです。
私は世界遺産・知床で生まれ育ち、北海道を心から愛しています。だからこそ〝パートナーズ北海道が北海道にあってよかった〟と感じてもらえる存在となり北海道の発展に貢献する会社を目指します。
