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生活協同組合コープさっぽろ

コープさっぽろ「ぬまのはた店」

事業やサービスを拡大し、地域の課題を解決

 道内全域でスーパー事業や宅配事業などを展開するコープさっぽろ。2025年3月期の決算は、売上高にあたる事業高が3091億円(前年同期比2・1%増)、経常利益にあたる経常剰余金は55億3400万円(同6・9%増)と増収増益を達成した。仕入れ商品の値上がり分を店頭価格に転嫁できず、事業剰余(営業利益)が同8・1%減となった。

 店舗面では「ぬまのはた店」(苫小牧市)を新規開設。「釧路西センター」と「北広島センター」の2つの宅配拠点も新設した。25年3月20日時点で道内108店舗(28市20町)、52の宅配拠点を有する。

 組合員数は、道内世帯の8割にあたる205万9000人。宅配事業の登録数も48万世帯で前年同期から1万世帯を上積み。好調を継続している。

 一方、道内では人口減少が進む。地域の課題を解決すべく、スーパーマーケットや宅配はもちろん、葬儀や電力事業にも参入。25年は「縮充と可能性の追求」をテーマに掲げ、ライフラインとしての役割をさらに強める。

 この4月からは、留萌市立小・中学校で学校給食の提供をスタートした。同社では10年から高齢者向けの夕食宅配サービスを開始。食事の提供を幼稚園や病院にも拡大してきた。今回は留萌市と協定を締結。給食センターの譲渡を受け、学校給食法に基づき、行政側と栄養教諭の指導のもと提供を行う。道内初の取り組みで、民間組織が学校給食を提供するのは全国的にも珍しい。

 また、ここ数年は6次産業化の観点で道内の食品加工会社を傘下に収めてきた。アイスクリーム製造の「さくら食品」(小樽市)やコーンの缶詰めで知られる「クレードル興農」(喜茂別町)に続き、6月には麺・スープ製造の「森谷食品」(釧路市)の全株式を取得してグループ化した。これにより、地域産業の維持と雇用創出にも一役買う。

「ぬまのはた店」は店内製造や店内調理にこだわっている
大見英明理事長(右)と中西俊司留萌市長
留萌市内の小・中学校に学校給食を提供する