ホッカン

〝のりのある日常〟を支え北海道の食文化発展に貢献
普段、何気なく手にするおにぎりや弁当に欠かせない「のり」。その1枚に、どれほどの企業努力が詰まっているかを知る人は少ない。
1973年創業の「ホッカン」は、のり加工メーカーの道内最大手。生産量は全国でもトップクラスで、1日最大50万枚の焼きのりを製造できる生産体制を構築。道内シェアは30%以上で、大手コンビニやスーパー、回転ずしチェーンなどにも提供している。〝のりのある日常〟を陰から支え、北海道の食文化の発展に寄与してきた存在だ。
主力ののり製品が売り上げの約5割を占める一方、昆布やシイタケなどの農海産乾物も手掛けており、総合乾物製造卸業へと事業を拡大。従来ののりメーカーの枠を越えた多角化戦略で成長を遂げてきた。
2006年竣工の本社工場は、食品衛生法の基準を超える厳格な衛生管理のもと、高品質な製品を製造する。異物除去設備の充実や、生産から消費までの流通経路を可視化するトレーサビリティーの導入など、品質管理体制に一切の妥協がない。この〝品質主義〟を支えているのが社員の高い意識だ。
青田孝志社長は「モノを売るのではなく、信頼を売る」を理念に掲げ、自ら社内勉強会の講師を務めるなど社員の育成に注力。組織の底上げを図っている。
近年は、高付加価値商品の展開にも注力。東京都練馬区の直売所でも、看板商品の「味付のり卓上のり丸くん」が好評を博しているなど道外の市場開拓にも注力している。
青田社長は「健康志向の高まりを背景に、のりの栄養素と効能が注目されています。のりは体に良いということを広く知ってもらいたい。原材料費高騰や気候変動といった逆風のなかでも〝革新と伝統の融合〟をテーマに次世代に誇れるのり文化を継承していきます」と語る。



