看取りから葬儀、出棺まで対応した老人ホームが誕生
札幌佐藤病院(本部・札幌市、佐藤亮蔵理事長)のグループ会社「大蔵商事」(本社・同)が住宅型有料老人ホーム「スリールしあわせ館」を9月に開設した。看取りに対応した終の棲家として入居者を募集している。
「スリールしあわせ館」(札幌市東区伏古10条3丁目11‐18)は、全36室の住宅型有料老人ホーム。全室にエアコンとスプリンクラーを完備し、共用部には談話室も設けられているほか、施設内には24時間対応の訪問介護・看護ステーションも併設している。
単身の高齢者を対象とし、看取りにも対応している。介護度の進行などによって転居する必要がなく、終の棲家として最期まで暮らせるのが特徴だ。
佐藤理事長は「入居者様が日々安心して生活できるよう、そして誰しもがいつか訪れる〝最期〟の時に『いい人生だった』と思えるように、快適に過ごせる施設を目指してつくりました」と話す。
入居者の看取り介護が始まった際には、本人や家族の希望に応じて、家族とともに生活することができる「家族個室」も2室用意している(家族1人1泊3000円、1人増えるごとに1000円プラス)。個室にはキッチンやソファベッド、浴室、各種家電などが備え付けられており、自宅のように家族水入らずの時間を過ごすことができる。
能代谷智枝子施設長は「入居者様が抱える悩みや不安にしっかりと耳を傾け、真に寄り添ったサービス提供に努めると同時に、家族のケアもしていきたい」と話す。
また、施設内には通夜や家族葬を執り行える多目的ホールも併設している。
「老人ホーム内に葬儀会場を設置するという試みは日本初。さまざまな宗教に対応した提携葬儀会社をご紹介します。生活保護受給者の福祉葬も可能です。老後の生活から看取り、葬儀、出棺まで同一施設で完結するため、家族の負担軽減にもつながります」と能代谷施設長。
月額家賃は4万2000円(生活保護受給者は3万6000円)で、管理栄養士が監修した食費が月額4万円(朝食・昼食・夕食)、水道・光熱費、共益費を合わせて月定額2万9000円で、総額は11万1000円(生活保護受給者は10万5000円)となっている。なお、10月~4月は暖房・除雪費として月額1万1500円が別途かかる。
入居一時金などは一切なく、敷金として家賃の1カ月分のみが必要となる。
新田里奈統括施設長は「老後のこと、家族のことなど悩みは尽きませんが、決して一人で悩まないでください。医療・介護サービスは一人ひとりに応じてその人らしい生活を手助けするものです。当グループでは病院やクリニックをはじめ、高齢者住宅、グループホーム、デイサービスなどさまざまな選択肢を用意しています。気軽にご相談ください」と話す。
問い合わせはスリールしあわせ館☎011・374・6162まで。