菅原興業
高い技術力と動員力で元請けから信頼を獲得する
千歳市を拠点に札幌市や苫小牧市などの道南エリアで、とび・土工工事を担う。業務は足場の組み立て・解体などの高所作業を中心にコンクリート打設や橋・鉄塔などの鋼構造物工事、プラント設備工事など幅広い。
また、自社の高い技術力はもちろん、多くの協力会社を抱えることで大型工事に対応。100人単位の職人を迅速に集めるため、スーパーゼネコンなどの元請けからは〝困ったときの菅原さん〟とも称されている。
菅原伸一社長は「当社は今年で創業から31年目を迎えました。鳶職の精神である〝義理と人情とやせがまん〟を忘れずやってきた。建設不況下でも人員整理をせず、協力会社との関係も維持し続けてきました」と振り返る。
リピーターが多いのも特徴。苫小牧市内の大手自動車部品メーカーの工場では、約20年にわたり新築から定期的な改修工事まで任されている。
今や道内の大規模プロジェクトには欠かせない存在に成長した同社。2年半の歳月を費やし創業30年の節目の年に開業した「エスコンフィールドHOKKAIDO」(北広島市)では、1日150人近い人員を投入。今年度も「ラピダス」の北海道工場(千歳市)や「苫小牧市民ホール」(苫小牧市)など大規模工事で多くの職人を動員している。
こうした動員力を確保するため採用と育成に注力。現在は20代の若手やベトナム、ミャンマー人も勤務するほか、社会人アスリート支援で現役のキックボクサーも雇用する。
菅原誠一常務は「デジタル化が進んでも、現場から人がいなくなることはありません。時代や元請けのニーズを先読みし、安全への意識や技術力の向上に加え、高い人間力も兼ね備えた人材を育成していく」と話す。
女性の採用にも力を入れている