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道民防災コンサルタント

火災を想定した防災訓練。消火する一方、自力で動けない人に対してはシートを使い、2人一組で避難させる

防災活動に全力。高齢者施設を中心に無料で防災訓練を提供

BCPを策定する上で、真っ先に考えるべきは災害への対応だ。胆振東部地震を例に出すまでもなく、北海道もさまざまな災害の危険性を秘めている。

こうした災害時の備えとなる防災訓練を無料で行っているのが「道民防災コンサルタント」。

同社は消防用設備などの点検が主業務。前田博文社長は「消防用設備が整っていても、いざという時に使いこなせなければ意味がありません。災害時のパニックを防ぎ、設備を最大限に活用するために防災訓練のお手伝いをさせていただいています」と語る。

最も注力しているのは高齢者施設などの介護事業所。すでに2021年から介護施設のBCP策定が義務化され、24年には完全施行される。消防用設備点検の顧客にこうした介護事業者が多いことから、無料で防災訓練を行っているのだ。

防災訓練では火災や災害時の状況を個々の事業所の規模やタイプに応じて設定。消火器や消防設備の操作訓練、避難経路の確保、AEDの操作方法や自力で動けない人を効率的に避難させる体の使い方まで教える。

前田社長をはじめ多数の社員が「防災士」の有資格者。災害時に求められる知識と技術を習得した〝防災のプロ〟から学ぶことで、災害時の初動ミスをなくし、安全に避難できる確率が大幅に増すはずだ。

これまでに200カ所以上で防災訓練を実施してきた前田社長は「介護施設には自力で動けない方や認知症の方もいます。火災が多い夜間は職員も少数です。スムーズに避難誘導させる防災訓練は必要です」と訴える。

加えて、一般向け防災イベントも定期的に開催している。子どもも楽しみながら学べるようにと、さまざまな仕掛けを用意。「防災体験コーナー」や「クイズコーナー」は毎年、好評となっている。中でも例年、冬季に厚別公園競技場で開催する防災イベントは大がかりで、子どもから高齢者まで多数の人が訪れる。

現状の避難訓練に不安を抱いている介護事業者や企業は同社へ問い合わせを。

前田博文社長
「防災士」の資格を持つ社員が多数いる