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MOEホールディングス

「萌の風」の2施設。ケアハウス「モユル美唄」

美唄市の社会福祉法人が傘下入り。地方の介護にも注力

 道内16市町村、84カ所の福祉事業所を拠点に、さまざまな介護サービスを提供する「MOEホールディングス」。徹底した安全対策と高いサービス力で道内介護業界で確固たる地位を築いている。

 現在グループ企業は、介護事業全般を行う「萌福祉サービス」、専門的な医療の提供も行う「医療法人社団萌水会」、1日最大7000食を賄うことができる高齢者施設向け給食サービスの「MOEsキッチン」など6社に拡大中だ。

 昨年10月にサービス付き高齢者向け賃貸住宅「グランジェMOE南4条」、この4月には札幌市中央区に同じくサ高住の「グランジェMOE桑園」がオープンした。

 また昨年12月には、美唄市内で7施設を展開する社会福祉法人「恵和会」がグループ入り。4月から社会福祉法人「萌の風」としてスタートした。

 水戸康智社長は「財務の立て直しを行い、4月から新たな法人名と施設名で運営を開始しました。当グループが築いてきた理念をもとに、美唄市内の利用者のみなさまの期待に応える介護サービスを提供していきます」と意欲的だ。

 水戸社長自身は滝川市の出身。過疎化が進む地方都市の介護事情も気がかりな点で、見過ごすわけにはいかないという。

「人材が確保できないなどの事情を抱える地方介護施設を承継するのはリスクが高い。しかし、施設が立ち行かなくなれば入居者は介護難民になってしまう。このバランスを上手くとるため、我々ができることは取り組んでいきます」(水戸社長)

 とりわけ、専門職の人材確保が難しい地方介護施設の対策として、同グループでは動画配信サービスを活用。セラピスト監修のリハビリ「モエトレ」をはじめ、脳トレや回想法を取り入れた「萌大学」、国語・数学・理科・社会〟の4分野で構成した「MOE Study」などのコンテンツを配信している。

 これに加えて、今年4月からは新たに高齢者向けに開発したヨガ教室「MOEヨガ」の配信も開始した。

 本場インドで学んだ講師による、座ったまま行うヨガが中心だ。呼吸が浅くなりがちな高齢者にヨガの呼吸法を取り入れることで、筋力アップや自律神経を整える効果が期待でき、心の安定にもつながるという。

「当グループのノウハウをコンテンツ化して全道で共有しています。今後も、市町村の枠を超えて、道内介護の未来につながるような事業展開をします」と水戸社長は語る。

特別養護老人ホーム「モエズヴィラ美唄」
水戸康智社長
簡易的なヨガが中心の「MOEヨガ」