ほっかいどうデータベース

札幌学院大学

河西 邦人 学長
(かわにし・くにひと)1960年東京都生まれ。青山学院大学大学院経営学研究科博士後期課程を単位取得し満期退学。外資系金融機関のアナリストを経て、97年札幌学院大学商学部講師に着任。同大教授、大学院研究科長などを歴任。2019年に学長就任。

新札幌キャンパスが誕生。不確実な時代を生き抜く人材を育成

――4月に新札幌キャンパスが開設しました。

河西 新札幌キャンパスのコンセプトは「多様なこと・ひと・もの(Diversity)」との「協働(Collaboration)」です。それを実現するために教育を創りあげる過程をオープンにし、その成果としての教育を社会に提供していく「オープン・エデュケーション」を積極的に展開していきます。

そのためには行政や企業、市民団体などと協働、共生していく必要があります。交通の要衝である新札幌地区という立地をいかして「都市型開放型キャンパス」をつくります。

――新札幌地区を舞台に、社会貢献を果たしていく。

河西 本学に隣接する「札幌看護医療専門学校」とともに、医療機器メーカー「フィリップス・ジャパン」(本社・東京都)が推進している「ハート・セーフ・シティー・プロジェクト」に参画しました。これはAED(自動体外式除細動器)を用いて、心肺停止患者への対応力を街ぐるみで強化していく取り組みです。学生が救護者として支援し、市民が安心して暮らせる街づくりに貢献します。本取り組みは新札幌地区のみならず、本学の江別キャンパスでも行っていきたいと考えています。

――貴学のニューノーマルは。

河西 コロナ禍を契機に、本学は「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」を推進していきます。現在は遠隔授業の導入など、ICTによる教育の効率化を図る「デジタイゼーション」に着手しています。その後、ICT技術を活用して新たな教育価値の創出と教育の仕組み自体を変えていく「デジタライゼーション」への取り組みを進めていきます。しかし、この取り組みは本学だけでは完結できない。専門機関の協力が不可欠です。そのための関係強化を図っています。

――具体的には。

河西 3月に日本政策金融公庫、北海道中小企業総合支援センターと「連携協定」を締結しました。両機関と連携することで、本学の学生および全道にいる卒業生の起業・創業・事業承継支援に着手しました。
具体的にはICTを活用した起業・創業に関する遠隔授業を展開し、それをオンデマンド配信します。本学の教員だけではなく外部の専門家がそこに加わることで、より効果のある教育と起業・創業の生態系(エコシステム)を北海道でつくり上げていきます。

――就職だけではなく、起業という新たな道も示していく。

河西 近年、学生の価値観は多様化しています。大企業や役所で安定したやりがいある仕事をしたいという学生がいる一方で、自分のやりたいことで生計を立てたいという学生も増えてきました。
また、公益的課題を解決したいという社会起業家的な考えを持つ学生もいます。そういった起業家マインドを持つ学生たちも、就職を希望する学生と同様に手厚く支援します。一度の人生だからこそ、多様な可能性と生き方を学生時代に追求して欲しいです。

――コロナ禍の就職実績は。

河西 20年度の学部全体の就職内定率は約92%で、前年から約3ポイント下落しました。昨年は就職イベントが軒並み中止になり、企業が採用数を絞りました。その結果、学生の就職活動へのモチベーション低下が避けられなかった。
今年はこれまで以上にキャリア支援課によるオンライン面談、面接試験対策などに注力しています。

――公務員の就職比率が高い。

河西 コロナ禍でも法学部の就職内定率は97・8%で、その約35%を公務員が占めました。学生の頑張りはもちろん大きいですが、法学部では2010年代から公務員講座に力を注いでいます。その成果が出てきたと分析しています。

――昨年からロゴマークとタグラインを一新しました。

河西 本学は「学の自由」「独創的研鑽さん」「個性の尊重」を建学の精神として70余年歩んできました。創立時の理念を現代版にアレンジし、いまの本学を一言で表現
するタグラインが「One life, Many answers」です。これは一度の人生には多くの可能性があり、答えは1つではなく多数あるから挑戦を繰り返して答えを見つけようという意味を込めました。
本学が学生に寄り添った学修支援で潜在能力を引き出すので、学生は就職、起業、社会貢献といった人生を生きるための多様な答えを在学中に見つけて欲しい。不確実な時代でも本学の目的や理念はぶれることなく、これからの時代を生き抜く力を持つ人材の育成と、大学の活動を通じて社会課題の解決を図っていきます。

4月に開設した「新札幌キャンパス」
タグライン(左)とロゴマーク