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クドウ

屈曲部分の多い複雑なパイプも高い溶接技術で対応

空調・給排水分野の配管溶接に特化
メーカーとしての地位も確立

1991年に創業した「クドウ」は、業務用空調設備に用いられるパイプの設計から、加工、据付までワンストップで行っている技術者集団だ。

多くの業務用空調機は、冷凍機やボイラーで冷却・加熱した冷水・温水を熱交換機および除湿・加湿装置に送り、適正な温度と湿度の空気を作り、送風機を用いて空間に放出する仕組み。パイプは冷水・温水の通り道であり、空調機器の〝要〟だ。

「万が一漏水すれば大きな事故につながるため、パイプをジョイントする緻密な溶接技術が求められます。溶接技術者は減少しているため、参入障壁は高く同業者も少ない。だからこそ、当社の責任は極めて大きい」と工藤英樹社長。

使用するパイプは通称「白ガス管」「黒ガス管」と呼ばれる配管用炭素鋼鋼管で、建物の構造や形状に合わせて切断や屈曲、ジョイント加工を施していく。

過去には札幌ドームや真駒内アイスアリーナなど特殊な形状の施設建設においても、独自の技術で対応。現在は北広島市に建設中のボールパークの空調設備工事にも参画している。

培った溶接技術は、より高度な技術が求められるステンレス管の加工にも応用。耐久性に優れたステンレス管は、給排水など衛生配管としてのニーズも高まっており、受注量は右肩上がりだ。

「たとえステンレスであっても誤った溶接では酸化します。材質の特性を理解した上で、丁寧な加工を心がけています」と溶接のエキスパートとして活躍する杉野智明工場長は語る。

溶接技術者の減少を受け、オーダーメードで溶接済のパイプも販売。現場は据付作業のみとなり、作業効率アップに寄与している。商社や設備会社などから引く手あまたで、メーカーとしての地位も確立している。

今年5月には本社からほど近い小樽市に第2工場を新設するなど、工藤廣樹専務を軸として生産体制の強化を推進。設備投資も積極的に行い、自動切断機をはじめ、現在、道内では2台しかないパイプ結合部を加工する専用機器「フレアマシン400型」を導入。さらには「フレアマシン200型」も追加するなど、生産性向上を図っている。

また、新工場に隣接して全10戸の社員寮も完成させた。

「次世代への技術の伝承が当社の使命。そのため採用活動を強化しており、社員寮はその取り組みの一環です。優れた技術者を養成し、将来的には道外にも進出していきたい」と工藤社長は意気込む。

なお、一連の事業資金はすべて内部留保から捻出。〝無借金経営〟が工藤社長の信念だ。

工藤英樹社長
杉野智明工場長
5月に完成した第2工場(手前)と社員寮
最先端の機器を導入して生産性を向上