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時計台記念病院が4月から 泌尿器科診療を開始

医療体制の強化が着々と進んでいる時計台記念病院

ロボット支援手術執刀数全国3指に入る平川和志医師が着任

「時計台記念病院」に泌尿器科が4月に開設し、全国屈指のロボット支援手術執刀手術数を誇る平川和志医師が着任し、陣頭指揮を執っている。医療体制強化も着々と進み、2024年に開業予定の新病院の基盤も整いつつある。

ロボット支援手術の熟練3医師が着任

社会医療法人社団「カレスサッポロ」(札幌市、大城辰美理事長)は、札幌市内に2つの病院と3つの診療所、さらに介護老人保健施設や在宅医療福祉支援センターなどを展開する社会医療法人社団。2008年に全国で初めて社会医療法人に認定された、きわめて公共性の高い医療法人だ。

16年9月には、クリニックを併設する「カレスプレミアムガーデン」を開設。ホスピス、認知症、重度介護にも対応しており、加速する高齢社会に備えるために厚生労働省が進める「地域包括ケア」の拠点としても機能している。

同法人の中核を担っているのが「時計台記念病院」(札幌市中央区北1条東1丁目)だ。循環器内科、消化器内科、外科、形成外科、眼科、婦人科など14の診療科を標榜している。

こうした盤石の医療体制に加え、4月1日には泌尿器科を新規に開設し本格的に稼働している。同科の舵取り役を担うのが、平川和志泌尿器科顧問兼低侵襲手術センター長だ。

平川医師は、1984年北海道大学医学部卒業。同大医学部附属病院、国立札幌病院などを経て、97年から恵佑会札幌病院で泌尿器科部長として勤務。10年には院長、18年には副理事長に就任している。

専門は泌尿器疾患で、なかでもロボット支援手術の技術指導ができるプロクター(熟練指導医)としても活躍。症例数の多さは全国でも指折り「ロボット支援手術の医師の執刀数ランキング腎・泌尿器系トップ5」(週刊ダイヤモンド19年10月19日号)では累計手術数が959例で全国3位に。平川医師以外、全国トップ5は首都圏の医師が占めており、道内では断トツの実績だ。

平川医師がロボット支援手術に取り組んだのは12年3月で、これは道内では2番目の早さ。現在では年間100例を超えるロボット支援手術を実施しており、累計ではすでに1000例を突破している。

従来に比べリスクが少ない手術を実施

同院の泌尿器科では、腎臓から尿管、膀胱、尿道にいたる尿路にかかわる疾患から、精巣、前立腺など男性生殖器(EDを含む)、内分泌臓器である副腎、膀胱下垂(膣脱)など腎・泌尿器科全般の疾患を診療している。具体的な対象疾患は、尿路悪性腫瘍(腎がん、腎盂尿管がん、膀胱がん)、男性生殖器悪性腫瘍(前立腺がん、精巣がんなど)、尿路結石症、前立腺肥大症、女性の腹圧性尿失禁、尿路感染症などだ。

なかでも悪性腫瘍に対する治療方法の選択肢となっているのがロボット支援手術(ダヴィンチサージカルシステム)で、前立腺がん、腎がん、膀胱がんが適用となる。

この手術は、腹部などに小さな穴を数か所開け、内視鏡カメラとロボットアームを挿入。操作台に座った医師が、ロボットアームを操作しながら施術する。

特徴的なのは、10倍に拡大した視野で立体的な3D映像が得られること。さらに先端の器具(鉗子)の先に関節があり切開や縫合が繊細かつ確実におこなうことができる。鉗子の動きに手ぶれなどは全く無く、血管処理なども確実。従来式の腹腔鏡手術では不可能だった複雑な操作が可能となり、別次元の精度の手術ができるようになった。

低侵襲であるため「傷口が小さく出血が少ない」「痛みが少ない」「合併症のリスクが減少」「入院期間が短い」「回復や日常生活への復帰が早い」といった多くのメリットがある。

例えば、前立腺がんは近年男性の部位別がん罹患率トップ(国立がんセンター調べ)となっているが、この身近ながんに対応してロボット支援手術が治療の選択肢となっているのは心強い。また、小径の腎がんに対する精密な腎部分切除術、膀胱がんに対する圧倒的に出血量の少ない膀胱全摘除術など、泌尿器科領域では手術支援ロボットは欠くことのできない存在となりつつある。

平川医師は「治療は患者さんへの説明と同意であるインフォームドコンセントが基本です。そのなかでロボット支援手術は悪性腫瘍に対する治療方法として有望な選択肢が増えたといえます」と自信を見せる。

さらに同科には同時に2人の医師も着任している。

谷口明久泌尿器科部長は平川医師と同じく恵佑会札幌病院から着任。また、間山郁美医師は、手稲渓仁会病院でロボット支援手術プロクター認定を取得した女性医師。3人がともに日本泌尿器内視鏡学会の腹腔鏡技術認定医という経験豊富な布陣が組まれている。

同院は24年に同じくカレスサッポロ傘下の「北光記念病院」と統合し、JR札幌駅東側(札幌市東区北6東3)に「カレス医療センター札幌病院」として開業を予定している。平川医師は「医療現場の最前線医療に携わる一員として泌尿器科の基盤の構築に貢献していきたい」と語る。

詳細は☎011-251-1221まで。

泌尿器科顧問兼低侵襲手術センター長に着任した平川和志医師
低侵襲手術センターに導入された手術支援ロボットと平川医師
ロボットアームの繊細な動きで、従来できなかった複雑な操作が可能に