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北開技研工業

中川康北開技研工業専務(左)と伊豆太希ドリームベース取締役

防水診断、調査にドローンを活用。試験運用を2月に開始。

「北開技研工業」は、雪が多い北海道で最適な工法とされるアスファルト防水の施工を得意とする防水工事業者。主に屋上や屋根を中心に手掛け、外壁にも実績がある。

 なかでも、アスファルト防水をベースに耐火・断熱性能を高めた独自の「HT工法」では特許を取得。北広島市の新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」でも採用されるなど、技術力の高さでも知られる。

 また、業界に先駆けて高精度と低コストの両立に取り組んでいる。昨今の人件費や資材の高騰で「業者に見積りを依頼したら、想定よりも費用が高く、工期も長くなった」というケースも少なくないが、同社では若手人材の育成やデジタル化で対応している。

 その一環として、今年からドローンの活用を検討。主に屋上や外壁の防水面の劣化診断や漏水調査に導入する計画だ。

 ドローンに搭載した高画質なカメラで建物の状況を精密に撮影できるため、作業は1日で済み、金額も従来に比べ4分の1から5分の1程度に抑えられるという。

 中川康専務は「これまでの作業は、目視のほか職人の勘に頼るものが主流でした。業者は経験豊富なベテランの調査員の確保に加え、高所での安全対策や作業車の手配、足場の設置なども必要で価格の上昇につながっていた。ドローンの活用で品質を担保しつつ工事費や工期を削減できる」と期待を寄せる。

 ドローンの運用では、遊技機や掃除ロボット、次世代電動モビリティの販売などを行う「ゼンリン」(本社・札幌市白石区、伊豆正則社長)の関連会社「ドリームベース」と連携。同社は国土交通省認可のドローンスクールを運営しており、各種講習のほか、空撮や農薬散布などでも実績がある。

 同社の伊豆太希取締役は「マンション管理のドローン活用は、首都圏の管理組合では主流になりつつあります。プライバシーにも配慮しており、住人には事前周知を徹底。作業後は動画も削除するのでご安心を」と話す。

 2月21、22日には函館フェリーターミナル屋上の防水検査で試験運用をおこなう計画だ。

 

和合将学ドリームベース常務(左)らと綿密な打ち合わせを行う
「HT工法」では特許を取得
各種ドローンを活用する