アスリートインタビュー

北海道コンサドーレ札幌

【砂川誠のコンサの深層】深井一希選手

自分の足でないような感覚に悩んだ

砂川 今シーズンは、最初から試合に出られている。

深井 大ケガ(昨年4月に左膝前十字靱帯断裂と半月板損傷)で手術をしたので、復帰は本当は夏ぐらいから少しずつ試合に出られたら、と思っていて。今は順調にいき過ぎているくらいです。

砂川 試合に出てみて、ブランクは感じる?

深井 息が上がるとか、プレー時のフィーリングが上手くいかないというのはありました。でも前十字を断裂するのも3回目だったから、その辺りは当然というか。最初は自分の足じゃない感じがしてすごく悩みましたけど、もうこういうものだ、と開き直りながらやっています。

砂川 今シーズンは11試合に先発出場。ゲーム感も結構戻ったのでは。

深井 フィーリングは良くなってきました。でも、実際は相手が迫って来ていないのに、安全なほうにボールをコントロールしてしまう時がある。ボールを取られるんじゃないか、と見えない重圧があるのかな。最近ようやく、そういう時でも以前の感覚で体が動くようになってきました。

砂川 まだフル出場はないよね。監督も膝の状態を気にしているのかな。

深井 今シーズン当初、試合翌日から3日くらいジョギングもできないくらい左膝に炎症が出て。監督から直接言われたわけではないけど、気は遣ってもらっているのかもしれません。

砂川 鹿島アントラーズ戦(3月31日・第5節)では、守備も攻撃も一希から始まっている感じがあった。プロ初得点(3月2日・第2節セレッソ大阪戦)もあげたし、前線に顔を出すシーンは明らかに増えたね。

深井 後ろの選手がボールを運んで、誰かに出したらさらに前へ行きますから、確実に多くはなります。でも攻撃の組み立てで、バタバタする感じはあって。

砂川 リーグ中断明けの川崎フロンターレ戦(7月18日)以降、コンサは研究される側になっていると思う。とくに守備はクロスやセットプレーで、先にボールを触られることが多い。監督はそういうことをあまり気にしないタイプだし。

深井 失点について、選手が個別に確認することはありますけど、全体で話をすることはないです。「取られても取り返せばいい」という空気がありますから。

砂川 だからこそ、選手同士で話し合って改善が必要だよね。守備って「相手に絶対やらせない」という意識の問題もあるから。

深井 そういう部分で、ここまで点を取れて結果が出たからいいけど、逆に取れなくて勝てない試合が続いていたらどうなっていたんだろう、とは思います。

-----ここから“延長戦”本誌未掲載-----

話さなくても通じる関係

砂川 (MF宮澤)裕樹との関係はどう?ボランチで組むことが一番多いよね。

深井 裕樹くんとは、もういちいち話しをしなくても、お互いの動きを見ながらプレーできますね。

砂川 試合を見ていると2人が出ている時はすごくいいバランスでプレーしていると思う。

深井 裕樹君は本当、僕のだけじゃなくて、すごくチームのこと全体を考えながら動いてくれていると思います。

砂川 気が利くんだよな、裕樹は。

深井 はい。

砂川 もともと気の利いたプレーをしていたけど、キャプテンになったってこともあるのかな。プライベートでも一緒にどこか行ったりする?

深井 結構あります。

砂川 普通に遊んだりもする。

深井 2人きりというわけではないですけど、昨年くらいから、よく食事に連れて行ってもらうようになりましたね。

砂川 そういう時にサッカーの話ってするの?

深井 みんなで集まる席だと、意外にサッカーの話もするんです。1次会だけですけど(笑)

砂川 一希はこれまで、ケガでそういう場に居ないことが多かったのもあるよな。

(構成・清水)

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1995年3月11日、札幌市生まれ。177センチ・72キロ。小学3年時にコンサドーレ札幌U-12へ加入。以後、ユース各世代で中心選手として活躍しU-16、U-18日本代表に選出。13年シーズンからコンサのトップチームへ昇格を果たす。同年11月の左膝十字靱帯断裂を含め計3度の前十字靱帯断裂など大ケガに悩まされる。今シーズンは開幕から完全復帰し、初のJ1本格参戦で活躍中。背番号8、MF