財界さっぽろ 2025年6月号のさわり

財界さっぽろ 2025年6月号

特集・人事の読み方

左上から濱坂真一、三橋剛、加納孝之の3副知事。左下から天野周治、山本健晴、加藤修の札幌市3副市長 ©財界さっぽろ

 道内主要企業や団体、自治体で大きく人事が動いた今春。札幌市では秋元克広市長のもとで初めて副市長が2人同時に交代。北海道庁も特別職在任が史上最長となっていた副知事の浦本元人氏が退任した。さらに北海道観光機構会長・小金澤健司氏の突然の悲報による後継問題、早すぎる札商会頭交代報道、引き留めを振り切って早期退職し空港活性化に挑む元国交官僚、さらには道庁・札幌市の各幹部の素顔まで全21ページ。

優良誤認、裁判沙汰……石川遼“専属トレーナー”(北海道出身)の“泥沼トラブル”

 日本男子ゴルフ界のスター・石川遼選手をそばで支えるスタッフにまつわる裁判沙汰や法令違反を暴く本誌独占スクープ。

石川遼選手(左)とアドバイザリー契約を結んだA氏 ©財界さっぽろ

 石川選手の専属トレーナーというA氏は北海道出身、道央在住。柔道整復師の資格を持ち、10数年前に石川選手と知り合い懇意になったという。その後、石川選手が持病の腰痛などに苦しむ中、体質改善や筋トレを指導したことで、国内メジャー大会に優勝するなど復活を遂げたとされている。

 ところが、このトレーナーの本業である整骨院の経営と健康関連商品の販売に関し、実の兄弟間で裁判となっていることを本誌がキャッチ。さらに調べていくと、石川選手も巻き込んだ問題が現在進行形で起きていることがわかった。

新リーグ残留のヴォレアス、苦汁をなめたイエスタ バレー道内2チームで取り合った“最後の椅子”

 男子バレーボールの新プロリーグ「SVリーグ」では初代チャンピオンが決まる中、なんとか残留を果たしたヴォレアス北海道(旭川市)と、SVリーグ参入が叶わなかった北海道イエロースターズは明暗分かれる結果となった。

 一方、ヴォレアスは財務問題で降格危機を迎えていたが、ファンや支援者による緊急の出資・融資が実り残留。イエスタは逆にヴォレアスが財務の問題をクリアできず降格していた場合に昇格が叶った。実は最後のイスを巡る争いを本道の2チームが争った格好だ。

池田憲士郎ヴォレアス北海道社長(左)と澤野佑介北海道イエロースターズ社長 ©財界さっぽろ

 本稿のほか、ヴォレアス&イエスタ双方の社長を直撃。今シーズンの振り返りとともに、昇降格のアヤについても語ってもらった。

直木賞作家・門井慶喜インタビュー「こんな近代都市は日本中のどこにもない」

門井慶喜氏 ©財界さっぽろ

 このたび札幌を訪れていた、直木賞作家の門井慶喜氏をフィーチャー。最新刊『札幌誕生』を上梓し、秋元克広札幌市長とも対談したという門井氏は「こんな近代都市は日本中のどこにもない」と札幌市を表現。執筆時のエピソードなどを大いに語った。

JAグループ参院比例候補(東野秀樹)危うし 農業団体幹部が「落選したら自民党議員も道連れだ」

 全国のJA農協組織を代表するJAグループ参院比例候補として、昨春に全国農業者農政運動組織連盟から推薦を受けた、ホクレン代表監事の東野秀樹氏。

東野秀樹氏 ©財界さっぽろ

 このくくりで出馬する本道関係者は初めてとなり、JAグループ北海道は現在、総力を挙げて東野氏の支持拡大に努めている。JA北海道中央会が事務局となり、同会の樽井功会長や篠原末治ホクレン会長などとの2連ポスターを各所に掲示するなど、知名度向上に躍起だ。

JAグループ北海道の組織が入る北農ビル前の2連ポスター ©財界さっぽろ

 だがその東野氏に襲いかかっている3重苦がある。東野氏が全国農政連から推薦された経緯を背景とする道外支持拡大の難航、自民党の不人気、そして“令和の米騒動”だ。どれもいわずもがなの話だが、残り2カ月あまりとなった参院選本番に向け、できることは限られる。そこである農業団体幹部は語気を強めてこう話すのだ。

「東野へ票を出さない、協力しない道内自民党国会議員は、次の選挙で道連れだ」――と。