北海道建設業界のトップカンパニー
今や全国規模のゼネコンとして存在感を高める一方、海外での事業実績も豊富だ。
その歴史はまさに道都・札幌の開拓、そして北海道の発展とともにある。創業は岩田徳治氏が札幌村大字苗穂村に「土木建築請負業岩田組」の看板を掲げた1922年。借り物の電話1本、自転車1台、一人で始めた個人営業会社だ。
39年には北海道初の鉄筋コンクリート製の橋が豊平川にかかり、札幌の東西を結んだ。この札幌一条大橋の工事を担ったのが岩田組だ。低予算に他社が尻込みするなか、最新の機械を活用して高品質かつ記録的なスピードで仕上げた。これは札幌の近代都市化を語るうえで外すことのできない出来事として歴史にその名を刻んでいる。
この後、南大橋やミュンヘン大橋など豊平川にまたがる幾多の橋、石狩街道跨線橋、石狩川の奈井江大橋など道内の主要河川に架かっている橋の多くを手掛け〝橋の岩田〟の異名が業界内に轟いた。
もちろん、数々のオフィスビルや教育施設、トンネル、ダム建設などさまざまな建築・土木事業に携わり、旧岩田建設および旧地崎工業を含めると「北海道神宮」「北海きたえーる」「創成川通アンダーパス」「新千歳空港国内線ターミナルビル」「札幌コンサートホールKitara」「朝里ダム」など、北海道を代表する事業も多い。道都札幌の繁栄、道民生活の向上に果たした役割は、誰もが認めるところだろう。
2007年に両社は合併を果たし、現在の岩田地崎建設が誕生する。最近では、「北広島市庁舎」「円山動物園ホッキョクグマ館」「国富2号トンネル」などを手掛けており、その信頼は揺るぎない。現在も、「北海道新幹線村山トンネル」「北海道議会庁舎改築その他工事(2工区)」「新千歳空港国際線旅客ターミナルビル施設再整備工事(B工区)」などの工事が進行中だ。
さらに、「国道230号 札幌市定山渓災害復旧工事」「国道36号 白老町竹浦橋災害復旧工事」など、多発する自然災害による復旧工事にも対応。北海道の交通インフラを守り続けている。
社会情勢や景気に左右されやすい建設業において、4年後には創業100周年の大きな節目を迎える。まさに〝北海道の歴史と未来を創造する企業〟としてその役割は大きい。