新製品開発にも挑戦。美唄の鉄製ガレージメーカー
1986年、美唄の地で創業したダイワ工業は、35年にわたって〝鉄製ガレージ〟の製作に特化してきた。現在、カーポートや物置も含め、年間1800棟以上を生産・販売し、離島を除く道内全域で「ダイワガレージ」のシェアを広げている。
アルミ製が大半を占めるガレージやカーポートだが、荘司光哉社長は鉄製のメリットについて「薄くて軽いアルミ製の利点は、型をとって大量生産できること。ただ、そうした既製品では変形地や狭小地に対応できない場合が多い。その点、鉄製は細かな調整が可能であり、土地の形状に合わせたピッタリなものを提供することが可能です」と説明する。
販売先はハウスメーカーや工務店、商社。施主への直販はしていないが、施工面でも細かな調整が必要となるため、メーカーでありながら自社で工事をおこなっている。熟練の職人が現地確認から引き渡しまでを担当し、高い施工品質でエンドユーザーからの信頼を獲得。口コミなどで評判は広まり、販売数を伸ばしている。
また、鉄製はアルミ製に比べて強度が高く、耐雪性にも優れている。荘司社長は「雪下ろしの頻度を減らしたいという要望が増えています」と語り、地域の降雪量を考慮しながら強度を調整。緻密に構造計算した確かなものを供給している。
ガレージの老朽化や車種の大型化などを背景に、建て替え需要も高まる中、同社では雪下ろし不要のガレージを開発中。実現すれば、高齢化社会に対応した画期的なものが誕生する。それと並行し、工務店などでも施工可能なガレージやカーポートも開発していく。
新規事業も計画している。
「当社の鉄加工技術を他製品にも応用したい。つくれないものはない」と荘司社長は意気込む。その第1弾として、鉄と木を融合させた木製家具製作をスタートしている。20年3月までに商品化する計画だ。