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活用自在の〝可動産〟。高品質トレーラーハウスに新タイプ

ミサワホームグループの建築士がデザインした和室タイプ(一例)。奧の小上がりは段差部分を収納にするなどカスタマイズ可能

明治39年創業、100年企業として地域に根ざす建設業「渡辺組」が取り組む「メードイン北海道」のトレーラーハウス事業。ミサワホームグループと共同開発した高品質モデルに「和室」タイプが新登場した。

 事務所や店舗、居住用まで多彩な用途を叶える「車両」がトレーラーハウス。短期間やシーズンごとの移動など、建築物が建てられない場所でも利用できるが、これまでメーカーは本州や海外ばかりだった。

 そこでオホーツク管内遠軽町の総合建設業「渡辺組」は大手住宅メーカー「ミサワホームグループ」と協業。2年の月日を投じ、寒冷地仕様の「メードイン北海道」のトレーラーハウスを共同開発した。

 ミサワは南極・昭和基地の施設建設で半世紀以上の実績を積んできた。マイナス60℃、風速80㍍毎秒という極地でもびくともせず品質も変わらなかった、という技術が投入されており、真冬の北海道でも快適にすごすことが可能だ。

「当社のトレーラーハウスは車検対応の中型タイプで事前申請の必要なくけん引による移動が可能。自治体の設置要件も満たしていながら、カスタマイズ性が高いのが特徴です」と話すのは渡辺組社長の渡辺勇喜氏。

 事務所や休憩所としての利用のほか、コロナ禍で自治体が発熱外来として設置、紋別市ではバードウォッチング施設として活用。2021年からは置戸町でグランピング施設として稼働し人気を博すなど活用の幅が広がっている。

 同社が今秋から新発売するのが「和室」タイプ。ミサワのデザイナーによる渾身の〝作品〟だ。

「使用する内装の部材にこだわりました。にじり口を設けて『茶室』として利用できますし、景観のいい場所に設置すれば、日本旅館の一室に変身します。道内には季節に応じたすばらしい自然景観がありますが、トレーラーハウスを置けば、そうした遊休資源をさらに生かせる。これからの時代の〝可動産〟だと言ってもいいと思います」(渡辺氏)

通常の扉の横にはにじり口も設置できる
上下水道工事を行い宿泊や飲食施設にも活用できる。固定資産税はなく4年で減価償却が可能。手放す際のリセールバリューも高い
「詳しくは石狩市の展示場で見学ください」と渡辺勇喜社長。問い合わせはhttps://watanabegumi-trailerhouse.com/contact/