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北栄運輸

「きたひろ・まいピー」と並ぶ木原雅史社長

鶏卵輸送で道内トップシェア北広島の知名度向上に貢献

 1963年創業で北広島市に本社を置く「北栄運輸」。鶏卵輸送では群を抜く道内トップシェアを誇り、自動車部品や化学薬品、学校給食などの輸送も手掛ける。

 2017年に岩手県、19年には恵庭市に営業所を開設。木原雅史社長が就任した12年の社員数は、30人程だったが現在は100人を超える。

 繊細で鮮度が命と言われる鶏卵は、緻密な温度管理が必要だ。管理には防疫に関わる先端知識や技術導入が欠かせなく、高度な輸送技術が求められる。同社では温度記録データや走行データを荷主である顧客に提出。さらに、ウイルスや病原菌を持ち込まないよう消毒などの衛生管理を徹底している。

 近年は、異業種へも参入している。23年に岩石や砂の販売と運搬を手掛ける採石業の「常呂トラック」(本社・北見市)を傘下に収めた。自社のプラントも保有しており、採石業との二本柱でグループの業容拡大を目指している。

 一方で、木原雅史社長が尽力するのが地元地域である北広島市の活性化とブランディングだ。

 12年から14年までは「北広島商工会青年部」の部長を歴任し、同市の財産とも言える北海道米のルーツ「赤毛米」を活用した事業やイベントを実施。地域振興に尽力した。

 その一つが北広島商工会の公式キャラクター「きたひろ・まいピー」の立案だ。赤毛米をモチーフに、13年に木原社長らが中心となって誕生させたキャラクターで、現在は北広島市の住民票も持つなど市民に定着している。

「お米の『まい』とかわいらしい女の子のイメージで『まいピー』と名付けました。また、北広島市は東広島市(広島県)と姉妹都市でもあり、平和の灯を灯す町でもある。ピース(平和)の意味も込められています」と木原社長は振り返る。

 イメージキャラクターの立案後は、北広島市のブランド向上を図るため、国内最大級のゆるキャラ祭典にエントリーするなど、全国各地で北広島の魅力を発信。こうした地道な活動もあり、今や赤毛米の知名度は全国区となっている。

 また、22年にはJR「北広島駅」に隣接し、地域のランドマークでもあった小料理屋を継承し、「あき月」として新たにオープン。元来のオーナーが高齢で閉店する意向だったが、「地域に愛された飲食店は残すべき」という木原社長の強い思いから事業を引き継いだ。

 現在は、商工会工業部の部会長という立場で行政と連携しながら、北広島市のさらなる活性化を図っている。

「今後も市の魅力を発信し続け、ブランディングに貢献していきたい」と木原社長。

 

北広島商工会の公式キャラクター「きたひろ・まいピー」
鶏卵輸送がメインの北栄運輸では100台を超える車両を保有