整形外科北新病院

たかはし・かなめ/2009年弘前大学医学部卒業。北海道大学医学部整形外科に入局。釧路、名寄、岩見沢市の市立病院勤務を経て、21年函館中央病院人工関節センター長に就任。24年から整形外科北新病院に勤務。日本整形外科学会認定整形外科専門医。
適切な術式選択と包括的な治療で、早期回復を目指す
上肢や下肢、脊椎、スポーツ医学など、さまざまな領域の診療にあたる「整形外科北新病院」。各分野で豊富な実績を持つ医師がいる中で、股関節を専門とするのが、高橋要医師だ。
変形性股関節症をはじめ、大腿骨の骨頭部分が壊死を起こす大腿骨頭壊死症や、変形性膝・足関節症、外反母趾など、あらゆる疾患に対応。
「手術を強く希望する場合は尊重しますが、生活に支障がない限り、治療の基本は保存療法です。それでも改善が見込めない場合に手術を選択しています」
同院での執刀数は、170例(2024年4月~25年6月)。得意とする術式が人工関節置換術だ。切開方法は、前方アプローチと後方アプローチに対応している。
「前方アプローチは関節回りの組織を温存できる点から、術後1~2週間で回復が見込めます。対して後方アプローチは比較的安全かつ確実性があり、骨粗しょう症のような骨密度が低いケースにも対応できるほか、再置換術が容易といった特徴があります」
アプローチ選択の判断材料には疾患、大腿骨の形状や骨盤傾斜、患者の年齢などを総合的に判断する。
「人工関節の耐用年数は20~30年といわれています。人生100年時代と言われる現在、60歳未満の患者さんには将来的な再置換術を見据えて後方アプローチを推奨しますが、50歳未満には人工関節ではなく、骨切り術などを提案することもある」
技術研鑽と手技向上にも努める。学会や研修会へ積極的に参加し、最新技術の取得や情報交換を行うほか、現在も同院着任前に在籍し恩義を感じている函館中央病院と、北新病院院長の石田隆司医師が旧知のなかむら整形外科(伊達市)で手術・外来に従事している。
同院は手術室5室に対して、麻酔科医5人が常勤。さらに2人の非常勤医も在籍する体制を構築しており、臨時手術にも対応している。
また、リハビリチームとの相互連携も実施。高橋医師が、術式の選択理由や状態などをリハビリチームに細かく共有するなど、早期回復に向けた取り組みも徹底している。
「各セクションが持ち合わせる情報を統一することで、患者さんの全体像を把握することが大切です。将来を見据えた包括的な治療に取り組んでいきます」

