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リハビリ介護

利用者一人ひとりに寄り添って支援している

障がい者福祉で存在感。手厚い支援で高い就職率

 2008年設立の「リハビリ介護」は、札幌市内で鍼灸整骨院1院、就労支援施設を5施設運営している。

 柔道整復師と鍼灸師の資格を持つ髙畠裕介社長は「整骨院で患者様の治療にあたる中、心の不調による痛みやつらさを訴えるケースが多いことに驚きました。この経験が就労支援施設を開業するきっかけの1つになりました」と話す。

 運営する就労支援施設はすべて障がい者を対象にしたB型事業所で、利用者の大半が精神障がい者だ。データ入力や動画編集などパソコンスキルの習得が可能な支援メニューを中心に用意。利用者の獲得に苦労する施設が多い中、全施設〝空き待ち状態〟となっている。

 選ばれる理由は、利用者に寄り添った質の高いサービスの提供にある。常時7~8人の支援スタッフが出勤し、一般的な施設よりも2~3人多い支援体制を整えている。

「一人ひとりを細やかにケアできるように人員に余裕を持って運営にあたっています。支援スタッフの育成にも力を入れ、キャリアや職務レベルに応じた外部講師による教育も取り入れています」と髙畠社長。

 また、利用者の心身の健康管理を担うために看護師が常駐。日々のコミュニケーションで信頼関係を築き、利用者のニーズに応えられる〝安心できる場所〟として、福祉と医療を融合させた独自サービスを提供している。

「社会的に自立したい」「社会復帰したい」という意欲を持った利用者が多いことも特徴。利用者一人ひとりの症状や状況に寄り添った個別支援計画を策定している。無理のない範囲で適切な作業やトレーニングを行うことが重要だという。

 事実、企業へのアルバイトや社員としての採用など、運営施設の年間の就職率は10%以上を誇る。1~2%台と言われるB型事業所の平均就職率を大きく上回る数字だ。

 事務職や不動産管理スタッフ、イラストレーター、デザイナーなど職種はさまざまで、職場に定着するために就職後もサポートも続ける。

 また、自社や関連会社への就職事例もある。障がい者が障がい者を支援する「ピアサポーター」のほか、林業と障がい者の就労を結びつけた〝林福連携〟モデルとして、関連会社が運営するキャンプ場で活躍するスタッフもいる。

「利用者の需要に応えられるようソフト面の充実化を図る一方、新しい施設の開設も検討中です。利用者の働く場所を創出すべく、経営するIT企業と連携した就職スキームの構築をはじめ、新規事業にも挑戦したい」と髙畠社長。

柔道整復師、鍼灸師として施術する髙畠社長
髙畠裕介社長