シオンテクノス

社会の規範となる企業風土の醸成で成長を加速させる
ビルや商業施設の空調機の新設から整備、保守、メンテナンスを担う「シオンテクノス」。国内大手空調メーカー8社のうち5社のメンテナンスに対応する総合力を強みとしている。
コア業務を担うサービスマンは20代を中心に55人が在籍。空調メンテナンス分野で道内トップクラスの陣容を誇り、毎年増員している。
あらゆる業界で人材が不足する中、昨年は8人を採用、今年も6人が入社した。好調な採用の秘訣について村野篤社長は「今の時代、選ばれるのは会社側ですから、応募者との面談は私が自ら行い、会社の未来を〝プレゼン〟しています。会社の雰囲気や社風、思いが伝わるようにホームページも整備しました」と話す。
さらに、同社では社員の身内や友人を採用するリファラル採用も定着。社員が増えればその数も増えるため、毎年一定数の人材が入社するというわけだ。
また、村野社長は「ひきこもり不登校支援人材育成協会」の指導相談員資格も有しており、昨秋には自立支援施設からの打診を受け、中学から不登校となった19歳を社員として迎え入れた。
「〝人を喜ばせることこそ人生〟を合言葉に、ひたすら社員と向き合ってきましたから、当社の社員は他者に対してとにかく優しい。この企業風土は私の誇りであり、受け入れを決断できた理由です」と村野社長は話す。
内閣府が2023年に公表した「こども・若者の意識と生活に関する調査」によると、全国で約146万人がひきこもり状態とされている。同社では社会との架け橋となるべく、こうした層へのリクルーティングも継続する方針だ。
「苦労は多々ありますが、信じ切ることが大切。トップである私が諦めなければ社員にも覚悟が伝わります。その証拠に、周囲の社員の主体性や責任感が高まるなど成長も見られます。覚悟を持った優しい社員が増えれば、社会への適応が苦手な人も育てられる。社会の規範となれる会社にしていきたい」と村野社長。
企業風土の醸成が人材の定着にもつながるという。
「採用は〝やり方〟、定着は〝在り方〟が重要です。社員一人ひとりの居場所がある安心して仕事に打ち込める環境をつくっていく。人が集い、根付く企業を目指して前進あるのみ」と村野社長。
