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アルファコートグループ

自社の高級賃貸マンションブランド「アルファスクエア」シリーズを札幌、千歳に続々供給予定

売上高200億円を突破。建設請負業に本格参入し、さらなる成長を目指す

 札幌市内の「土地保有面積」「建物保有面積」「建物保有棟数」でナンバーワンを誇る「アルファコートグループ」。

 2004年設立の総合デベロッパー「アルファコート」をはじめとする総合不動産グループを形成し、不動産開発、分譲・賃貸マンション、ホテル、店舗の企画、設計、施工、管理、解体を自社で手がける。社員は70人ながら、あらゆる不動産ビジネスに対応する総合力で存在感を示している。

 今年3月には、賃貸マンション施工の「エイビーシー建設」(本社・札幌市)の全株式を取得し、完全子会社化した。エイビーシー建設は1997年設立で、25年3月期の売上高は44億円を計上。アルファコートグループとして過去最大規模の企業買収となった。

 一連のM&A攻勢なども相まって、25年5月期の連結決算では、売上高200億円、減価償却費14億円を経費計上した上で営業利益37億円、純利益25億円、純資産162億円、総資産637億円を計上した。

 好業績の呼び水となっているのが、不動産オーナーとしての賃料収入だ。同社ではビルやマンション、ホテル、コンビニ、ドラッグストアなど200もの物件を保有し、年間の賃料収入は50億円を超える。そのうち約20億円が〝真水〟(諸経費、固定資産税、借入返済を差し引いた純収入)のキャッシュとして創出されている。

 これらの資金を事業投資に積極的に充てており、年間の投資額は100億円に上る。

 例えば札幌市内を中心に千歳で賃貸マンションを50棟、札幌市と小樽市で高齢者住宅5棟、千歳市でホテル2棟をこの1年足らずで開発。これらの7割は自社保有で、保有不動産のさらなる拡大にもつなげている。キャッシュが新たなキャッシュを生み出すフローこそが、同社が21年かけて築き上げたビジネスモデルだ。

 同社では今後、建設請負業に注力するという。

 川村裕二社長は「エイビーシー建設の買収も建設請負業に本格参入するためです。建設費高騰によって不動産開発が困難になりつつある中、内製化の推進に舵を切りました。また、当グループが保有する200棟の物件については、今後毎年のように建て替えが発生しますので、これに対応するためには施工体制を強化する必要がありました」と説明する。

 そして〝造注方式〟の受注への自信を深めたことも建設請負業に本格参入する理由の1つだ。

「発注者に対し投資利回りを提案し、当社主導で事業化、受注することが〝造注〟です。用地の手当てから建築まで、一気通貫で対応可能な企画提案力が醸成されたと実感しています」と川村社長。

 建設請負部門の年間目標売上額は100億円に設定しており、すでに達成が射程圏となっている。さらなる成長に向けて同社では現在、新たに組織編成を計画。施工部門の社員も募集している。

 一方、大規模再開発など街づくりプロジェクトでも手腕を発揮してきた。これまで恵庭市、釧路市、帯広市で再開発事業を主導。22年から進めている「北見経済センタービル」を含む周辺の再開発事業も順調に進行している。

 また、6月には旭川市内の旧マルカツデパートを競売で落札。今後、債権者による執行抗告等がなければ、再開発を担う予定だ。旧マルカツから至近のファッションビル「オクノ」の立て替えを含めた「3・7地区再開発」の計画もあり、今後の動向が業界内外から注目されている。 

 

北見で進行中の再開発プロジェクト(完成予想図)

森崎博之氏を起用してCMを放送

高級感のあるエントランス
北1条通沿いに立つ本社社屋
自社で所有する「アルファ札幌北口ビル」
川村裕二社長