末廣屋電機

大型案件から個人宅まで。電気工事で社会と日常を守る
1924年、滝川市で創業した「末廣屋電機」は、昨年創業100周年の節目を迎えた。屋内外の建造物や道路に関わる電気・通信工事が主業。全道15カ所に加え、東北、東京、福岡、沖縄にも拠点を構える。
独立系としては、道内トップクラスの規模を誇り、庁舎や病院、学校、道路照明、トンネル等の公共工事のほか、ホテルや福祉施設、社屋、工場、空港の灯火設備といった民間工事まで、官民問わず全国で多くの大型案件を手掛けてきた。2020年竣工の「ウポポイ(民族共生象徴空間)」の中核施設である「国立アイヌ民族博物館」の電気工事を元請けとして担当したのも同社だ。
こうした大規模工事のノウハウを生かし、13年には全国でFC展開する「住まいのおたすけ隊」の北海道1号店として新事業をスタートした。一般家庭や個人事業主、法人を対象に、電球交換からコンセント増設、エアコン設置など、電気に関する〝暮らしの困りごと〟を解決するサービスで、100年の歴史に裏打ちされた信頼と技術力、対応の早さで利用者の支持を集め、業績も年々拡大している。
猪股浩徳社長は「大型案件に特化する方が合理的かもしれませんが、当社が今日まで続けてこられたのは地域の皆さまの支えがあったからこそ。日常の電気の困りごとや悩みに誠実に応え、地域から頼られる企業でありたい」と話す。
次の100年に向けた挑戦もすでに始まっている。今年度からは外国人技術者の受け入れを開始。M&Aなど、新たな経営戦略も進行中だ。
「業界は今、深刻な労働力不足に直面しており、得意分野を持つ企業同士が手を組みシナジーを生み出すことが生き残る鍵となる。私たちは〝買収〟ではなく〝協業〟のスタンスを大切にして共に成長を図っていきたい」と猪股社長。


