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小鍛冶組

今年度は前田悠希さん(左)と神晴翔さん(右)の新卒2人が入社

教育制度のさらなる充実と働きやすい環境づくりを進める

 札幌市内の再開発プロジェクトなど大規模建設工事に欠かせない存在といえるのが「小鍛冶組」だ。基礎工事や躯体工事(骨組み)の分野では、道内を代表する企業。

 2016年以降は、毎年新卒採用を継続しており、25年度も高卒1人、専門卒1人が入社した。社員数は4月1日現在で165人となった。

 特徴的なのが、座学を重視した独自のOJTプログラム「KOKAJIアカデミー」を有している点。建設業界では、入社後すぐに現場配属となるケースも多く、知識や技術の不足が離職理由の一つになっているが同社では、社会人のマナーや建設現場ならではの業界用語まで丁寧に指導する。さらに、本社の広大な敷地を活用した実践的なトレーニングも可能で、未経験や実務経験が無い有資格者も育てている。

 小鍛冶洋介社長は「入社後は現場代理人を目指すほか、適性に合わせて重機のオペレーターやダンプの運転手としても働ける。2~3年後に独り立ちできる環境です」と話す。重機の操縦やダンプのドライバー職では女性も勤務している。

 今年度からは技術継承の一環として毎月、役員らによる若手向けの研修会も実施する。インターネットを通じた講習システム「eラーニング」など、社内にプラットフォームが整備されコンプライアンスやSDGsなどを学べる。このほか、世代や役職者別に5つの外部研修も導入する。

 一方、各種アスリート支援にも注力している。強豪の軟式野球部や五輪を目指すウイリアムソン・レミ選手所属のスピードスケートチームを有し、社会人の就職先としても人気だ。また北海道の女子硬式野球「HOKKAIDOリーグ」も主宰する。

 働く環境の整備にも取り組む。昨年末には利便性の高い札幌市中心部に「中央オフィス」を移転したほか、今春から作業服のモデルチェンジを実施した。従来同様にスポーツメーカーのミズノ製で生地の伸縮性が高く動きやすいのが特徴。環境に配慮する同社らしく、リサイクル素材を用いている。

 小鍛冶社長は「作業服の選定からロゴデザインの発案など若手18人のプロジェクトで決めた。今後も若者たちの意見を経営に取り入れていきたい」と話す。


施工本部工事部
前田 悠希さん

専門学校在学中は全国専門学校軟式野球選手権大会優勝で3年連続日本一に輝きました。野球を続けたいと考えて就職活動をしていたことと、会社説明などで建設業の面白さも感じたため入社に至りました。まずは研修でじっくりと仕事を覚えたいです。将来は周囲から尊敬される社会人を目指します。まずは、小鍛冶組の社員として戦力になれるように努め、野球の活動との両立の生活に慣れること。将来は小鍛冶組野球部でも全国大会を優勝したいです。

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