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上川大雪酒造がリエントリー事業で法務省から高評価

「五稜乃蔵」(右)、「碧雲蔵」(左)でそれぞれ醸造

「上川大雪酒造」(本社・上川町)が網走市、網走刑務所と進める地域活性化事業で、受刑者と共に製作した木おけで仕込んだ日本酒が10月に完成。その取り組みが評価されている。

 完成したのは、網走刑務所の受刑者と共に製作した木おけで仕込んだ「網走 木桶仕込み」。「上川大雪酒造」の酒蔵「碧雲蔵」(帯広市)と「五稜乃蔵」(函館市)で醸造された。

 網走市と網走刑務所が民間企業や団体と連携し、再犯防止や地域活性化、産業振興を目指すリエントリー事業の一環として、同社は22年から参画。今回で2年目となる。

 木おけ製作は、香川県で木おけ製作技術の継承活動を行う「木桶職人復活プロジェクト」の職人が指導。

数量限定のため一般販売は予定していないが、10月18日には、塚原敏夫社長が水谷洋一網走市長らとともに小泉龍司法務大臣を訪問し、プロジェクトの報告とともに完成した「網走 木桶仕込み」を贈呈。日本酒の出来ばえとともにその活動が高く評価された。

 同社は北海道産の酒米を100%使用した日本酒造りで評判。これまでにも本社を構える上川町をはじめ、酒蔵を置く帯広市の帯広畜産大学や函館市の函館高専との連携も行ってきた。「今後、網走市でも官民の連携を強化して、地方創生につなげていきたい」と塚原社長。