ほっかいどうデータベース

東北土建

ドローンとロープアクセスによる吊橋の点検

点検業務のスペシャリスト。自社アプリでDX化を推進

戸建住宅の建築や構造物点検・調査を手掛ける「東北土建」。今年1月で創業55周年の節目を迎えた。

近年は、道内外で橋梁やトンネル、道路付属物点検調査の大型受注が続く。昨年度は、橋梁が434カ所(686径間)、トンネルは37カ所(1352スパン)、道路付属物点検においては1423カ所での点検を手掛けた。現在も国土交通省の大型橋梁点検4物件が同時に進む。

こうした受注の3分の1は道外物件だ。2021年には埼玉県、今年4月には千葉県に営業所を開設して本格的な道外進出も果たしている。道外でも高い技術力が評価され、関東や九州での受注も増加中。活躍のフィールドは着実に拡大している。

堅調な業績の背景にあるのが、自社開発した橋梁点検補助アプリ「BIS」の活用だ。作業効率を大幅に向上させた画期的なシステムで、過去の橋梁点検調査結果の詳細や点検写真を更新し、データベース化する。点検員が現場からアップロードした点検結果を解析部門と共有が可能だ。

21年にはBISの普及を目的に、全国12社の点検関連企業で構成される「アトラス」を設立。

組合の代表でもある青山裕亮社長は「加入企業でアプリの実証実験を行い、アップデートを行っています。昨年度は全国で391橋、571径間で実際に使用しました。今年度中にはApp Storeで大々的にリリースします」と話す。

一方、もう1つの柱である建築部門は、国内大手ハウスメーカーの指定工務店でもあり、現在は新卒の積極採用などで世代交代を推進。新入社員の育成にも注力し、短期間で独り立ちできる育成カリキュラムで組織の若返りを図っている。

「建築の施工管理アプリも運用しています。将来的にはこれも全国に展開していきたい」と青山社長。

青山裕亮社長
橋梁点検補助アプリ「BIS」のトップ画面