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北雄産業

JIS認証を取得した「HY‐BSパイル」は看板商品

コンクリート杭の製造と施工で高シェアと信頼を獲得

蓄積されたデータで最適な技術を提案

建物の基礎となるコンクリート杭の製造と販売、施工を手がける「北雄産業」。 
1969年の創業時は生コンクリート販売と宇部興産のセメント特約販売が主事業で、72年の札幌五輪を迎えるに当たって生コンやセメント需要が増えたことで売り上げが伸長した。78年には杭の製造にも参入。2019年には創業50周年を迎えている。

本社のほかに函館と東京に営業所、道南の松前郡福島町に自社工場の函館福島工場を所有している。同工場で製造されているのが「HY-BSパイル」だ。杭に節が設けられた形状で、これによって地盤と建物の安全性を保つことができる。主に軟弱な地盤で用いられている。

もちろん施工技術も群を抜いて高い。93年には節付(ふしつき)コンクリート杭を使った工法が、
国内初の建設大臣認定を取得している。自社製品や工法だけではなく、他の杭メーカーとも業務提携を結ぶことでコンクリート杭以外の施工も行っている。

加えて同社には、創業から半世紀の間に蓄積された膨大な地盤のデータが保有されている。これを生かすことによって建設物の規模や地盤、コストや日数から、経済性や安全性を踏まえたうえで最適な技術を迅速に提案できるようになった。

こうした顧客重視の姿勢が支持され学校や病院、消防署、清掃工場、介護・老健施設といった公共建築物はもちろん、民間工事の依頼も多い。大規模な商業施設や工場、倉庫をはじめ、農業や漁業関連施設など多岐にわたる。戸建て住宅や賃貸マンションなども含めると、手がける現場は年間400件。道内の数多くの建設工事を支えている。

社内改革や制度拡充で新たな時代に挑戦

経営手腕を発揮しているのが01年に就任した佐藤昌一社長だ。省力化などさまざまな改革を断行。現在は実質無借金経営で自己資本比率は61%と業界を代表する優良企業にまで発展させた。
19年に「北海道働き方改革推進企業」、20年、21年と連続で「健康経営優良法人」に認定。21年には環境マネジメントシステムISO14001、品質マネジメントシステムISO9001を取得。外部機関からも高い評価を受ける。
「社会の安全と安心を創造し続けることが当社の経営理念です。その考えは創業以来ぶれていない」と佐藤社長。

CSRの観点からSDGs(持続可能な開発目標)にも賛同。その一環として健康経営や福利厚生に注力している。同業他社はもちろん、道内大手と比較しても引けを取らない内容だ。
例えば、今年の6月には新型コロナウイルスのワクチン接種に対応し特別休暇として「ワクチン休暇」を設けた。時間単位の有休制度も整え、有給休暇の取得率も70%を超える。

健康を気遣う従業員には、腕時計タイプの健康管理端末を無償配布する。歩数や消費カロリー、睡眠時間などの計測ができ、日常の健康管理に加え、屋外での活動が多い従業員の体調管理にも役立っている。
賃金制度や手当に関する制度も拡充した。技術力のかさ上げの観点から資格取得者への待遇も強化。従業員の意欲と能力の向上につなげている。
子育て手当では出産祝い金として1人目10万円、2人目20万円、3人目には30万円、4人目以降は50万円を支給するなど破格の金額だ。
従業員のプライベートな活動を表彰するため「ワークライフバランス表彰制度」を確立しているのも同社ならでは。昨年は休日などに地元消防団で活動する従業員や、少年野球の審判を行う従業員が対象となった。

このほか、近隣の清掃活動や盲導犬協会への支援、協賛など社会貢献活動も積極的に行う。18年の北海道胆振東部地震の停電時には、函館福島工場に保有する自家発電設備を周辺住民へ提供。鳴海清春福島町長から感謝状が授与されている。

今後はさらなる生産性の向上を図るためDX(デジタルトランスフォーメーション)化を加速。特に顧客や在庫管理の分野で大幅な見える化が図られる予定だ。

佐藤社長は「地盤調査から基礎に関する技術提案および施工まで、土の中に関わるすべてのことができるのが当社の強み。今後は変化する社会環境と顧客のニーズに対応できる体制づくりにまい進します。挑戦を続けることで、企業としての成長と価値を高めていきたい」と語る。

 
本社近隣で毎月清掃(右)をするほか盲導犬協会に支援も行う

製造拠点となる松前郡福島町の函館福島工場
自社で施工も行うことで、品質向上にも貢献
佐藤昌一社長
19年の創業50周年を機に新築した自社ビル
感謝状を授与する鳴海清春福島町長(左)