ほっかいどうデータベース

札幌心臓血管クリニック

手術台から離れたところで「ダ・ヴィンチ」を操作し施術する橋本誠医師(右)と、手術の様子

診療体制の幅を広げ、ダ・ヴィンチ手術の実績伸ばす

失神外来新設で診療科目充実

医療法人札幌ハートセンター「札幌心臓血管クリニック」は、従来の循環器内科、心臓血管外科、不整脈外来に加え、20年8月から新たに「失神外来」(完全予約制)をスタートさせて診療科目の充実を図った。

失神は短い時間の間に意識を失い、その際に転倒して骨折したり、車の運転中であれば大事故につながりかねない危険な症状。意識を失うことから多くは脳神経外科を受診するケースが見られるが、不整脈や弁膜症、心筋梗塞など心臓疾患に起因する「心原性失神」が原因である場合も少なくなく、検査で原因を明確にして適切な治療を受けることが肝心だ。

同院では心電図やエコーなど基礎的な検査に加え、心臓の状態を詳しくチエックして原因を究明。循環器内科の北井敬之、森田純次の2医師が担当して専門的な治療をおこなっている。

「失神は若い人に多く見られ、早期の適切な治療によって将来の重大な心臓病の予防とすることにもなる」と藤田理事長・院長は語る。

20年初頭から猛威を振るった新型コロナウイルスに対しては、同院ではさまざまな対策を講じている。6月から実施した「オンライン診療」もその1つで、対面受診を控える状況が広がる中、ホームページやスマートフォンのアプリで予約をし、外来と同様の問診が受けられるとして好評。そこで医師が要検査と判断すれば、来診へと進むシステムとなっている。コロナ終息後も継続していく方針で、19年から医師が24時間対応する「医師直通フリーダイヤル」(0120・873・810)とともに利用者が増えているという。

外科手術を変革させた支援ロボット

治療に関しては、手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」の症例数が増えている。ダ・ヴィンチ手術は患者に直接触れることなく、医師が患部の立体画像を見ながら遠隔操作でアームを動かす画期的な手術法。従来、弁膜症や狭心症、心筋梗塞といった冠動脈疾患の外科手術では、胸を開き、胸骨を切開しておこなう開胸手術が一般的で、感染症などのリスクが高く、術後の生活復帰も長引くことが多かった。

しかし、ダ・ヴィンチ手術では、胸を小さく切開した後、カメラや手術具の挿入を低侵襲でおこなうため、骨や筋肉への負担、痛みが少ないのが大きな特長。入院期間も短く、日常生活への復帰も早くて患者負担が大幅に軽減された。

同院では、アメリカ留学で術式を習得してきた心臓血管外科部長兼MICSセンター長の橋本誠医師が担当しており、すでに40症例を超えるダ・ヴィンチ手術をおこなっている。

「ダ・ヴィンチでは総合病院を除いて当院が国内2番目に多い症例数となっています」と藤田理事長・院長。

また、08年の開院以来、高く評価され、現在では全国最多実績を誇るのが藤田理事長・院長を中心とする循環器内科の心臓カテーテル治療。20年実績でも2165症例(11月22日現在)を数え、大動脈弁狭窄症の高度治療法「TAVI(タビ)」の症例数も75件に及ぶ。

21年は6室あるカテーテル治療室を10室まで増やす増設工事や、リハビリセンターの開設といった計画を促進。「アジア医療グループの一員として循環器内科、心臓血管外科の高レベル治療技術を国内外に提供し〝100年続く病院〟を目指していく」(藤田理事長・院長)としている。

高度心臓血管治療専門施設である「札幌心臓血管クリニック」
少量の造影剤で撮影することができる「IQONスペクトCT」
6室のカテーテル治療室を完備(上)、毎年2000件以上の冠動脈カテーテル治療を実践している
藤田勉理事長・院長