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朝日田コーポレーション

年間150件もの研修を全国で行う

事業を通じて松下幸之助の経営哲学を伝授

〝経営の神様〟松下幸之助が創設したPHP研究所。ここに勤務していた朝日田雄人社長が北海道拠点として、1997年に創業したのが「朝日田コーポレーション」だ。経営コンサルティングや社員研修による人材育成で、松下幸之助の経営哲学や物の見方、考え方を伝えている。

朝日田社長は「松下幸之助の『北海道は自主自立の精神を持てば、世界を代表する地域となる魅力や可能性がある』という言葉に啓発された」と話す。

関与先は、国内大手企業から中小企業まで。業種は医薬メーカー、建設コンサル、商業施設運営会社など多岐にわたる。 

経営理念は「利は義の和なり」だ。四書五経の一つ易経文言伝から引用。松下幸之助が初めて作成した綱領「営利と社会正義の調和~」の社会正義、正しいことの積み重ねが営利につながるという考えに通じている。

ここ数年、経営コンサルで多いのは「経営理念や会社の価値や目的がなかなか社員に伝わらない」という相談だという。

「どの企業も会社の憲法である経営理念、どのような価値を世の中に提供するかを社員に浸透させることが重要です。しかし現状は目の前にある売上数字だけを追求しがち。10年後、30年後はどうなっていたいのか、ありたい姿やゴールを社員と共有することが大切です」と朝日田社長は語る。

研修は今年も全国で150回程度を予定する。累計受講者は8万人を突破。その中でも朝日田社長は、コロナ禍を経てコミュニケーションの変化を感じている。

「リモート研修の中でこれから何をしたいかという問いに、会って話をしたいなど、飲み会や社員旅行などに興味を示す若い社員が増えており、人と接することや対話の重要性を改めて感じているのだと思います。これには、聴く力が必要となります。素晴らしい経営者は皆持っています」と朝日田社長は語る。

一方で、事業を起こす原点となったのが「北海道には魅力や可能性がある」という松下氏の言葉だ。

「ニトリさんやアインさんなど、日本を代表する企業に成長した道内企業も増えています。全国へはばたく会社のサポートが使命。その一翼を担えたらうれしいです」と朝日田社長は先を見据えた。

朝日田雄人社長
コロナが流行してからは、リモートでの研修も開催