アスリートインタビュー

北海道コンサドーレ札幌

【砂川誠のコンサの深層】ラモス瑠偉氏

過酷なリハビリに耐えて1週間早く退院

砂川 脳梗塞になられた時は本当に驚きました。体調はもう大丈夫なんですか?

ラモス おかげさまで、3カ月くらい前からかなり良くなってきた。2016年の年末に発症して、退院したのが17年2月。普通はある程度快復するのに2~3年くらいで、主治医の先生も「1年くらいは様子をみて」と言っていたのに、回復力に驚いていたよ。

砂川 入院されたのを聞いて、病院までお見舞いに伺いましたよね。あの時は娘さんに「お見舞いがご迷惑だったら本当に申し訳ないです」と伝えてから行ったのに、お会いしたらすごく元気だったので、ホッとしました。

ラモス みんなお見舞いに来たがっていたのだけど、松木安太郎(サッカー評論家)とかそのあたりくらいで、あとはお断りしていたんです。でもわざわざスナが来てくれるというから、ぜひ会いたいなと。岐阜で一緒にやっていた時のように、またスナからパワーをもらおうと思った。ただ入院は2週間くらいだったけど、辛かった。1日3回もリハビリをしてさ。

砂川 僕が訪ねた後、すぐ退院されたんでしたよね。

ラモス リハビリを頑張っていたら、主治医の先生から「ラモスさん、な
んで階段走っているんだ。そういうのはやめてほしい。それともまた選手に復帰でもしたいの?」って言われて。だから俺も「先生、そうじゃないけど、家まで走って帰りたいんです」って答えたよ(笑)。そうしたら、最初の予定より1週間近く早く退院してもいいと。

砂川 退院のニュースを見て、またびっくりしました。

ラモス 脳梗塞の発生した部位や術後の経過がとても良かったんだ。でも退院してからしばらくは、味覚や嗅覚とかいろいろな障害が残っていて。食べ物とかタバコ、香水、臭いがすごく辛くて、好きなモノが全部食べられなかったね。

砂川 それは知りませんでした。

ラモス 昨年の夏を過ぎたくらいからは、毎日が戦いだった。たとえばカフェに行くのでも、狭いところだと臭いが辛いからオープンカフェにして。奥さんや仲間と気分転換に海まで行こうと、一緒に車に乗ったら、すぐに疲れてしまったこともあった。

砂川 それは今も?

ラモス 今はもう元気です!無茶はできないけど。

砂川 奥さんに怒られる。

ラモス 娘も恐いよ(笑)。先生にも怒られるからね。

(構成・清水)

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1957年2月9日、ブラジル・リオデジャネイロ生まれ。20歳で来日以来日本サッカーリーグ、Jリーグ、日本代表でプレー。引退後は評論家、指導者、ビーチサッカー代表監督など多岐にわたり活躍する。16年末に脳梗塞を患ったが、17年2月に退院し完全復帰