財界さっぽろ 2023年12月号のさわり

財界さっぽろ 2023年12月号

【特集】札幌五輪招致“大失敗”の全内幕

 10月11日、札幌市の秋元克広市長が、2030年冬季大会招致の断念と34年招致への切り替えを表明。2020東京夏季大会の汚職・談合事件の影響を受けて開催経費増大による市民負担の増加が懸念され、札幌市民の開催支持が広がらなかったことを理由とした。だがその発表直後、11月末に開かれる国際オリンピック委員会(IOC)の理事会で、年内にも30年と34年大会の開催地が同時に決まる見込みと報じられたことから、仕切り直しをする間もなく34年も断念せざるを得なくなってしまった。まさに情報収集の決定的な不足を露呈した形だ。

札幌市長の秋元克広氏 ©財界さっぽろ

 今後、招致を続行するなら38年以降へと仕切り直す必要があるものの、それは今から15年先の“遠い未来”。IOCの理事会が終わるまではと明言を避けている秋元氏。だが招致活動自体の中止は避けられない情勢だ。

 2013年、前市長・上田文雄氏時代に招致を表明するに至る“原点”からの10年を振り返ったほか、招致活動失敗による関連施設建設の影響などを総ざらいする。

受託事業者が経費を過大請求 道、苫小牧市の介護職員派遣事業、これが不正の証拠だ!

 今月頭に発覚した、北海道と苫小牧市が行っている介護職員派遣事業で、東京都内の人材派遣業者が受託経費を過大に請求した事件。東京都の介護人材専門サービス「シグマスタッフ」が、両自治体の介護人材確保事業をそれぞれ受託した際、1つの業務で実際かかった経費を、ほかの業務にも発生したものとして重複計上するなどの手法で経費を水増ししていたもの。両自治体合わせて、総額1億7000万円もの虚偽の請求を行ったという。

シグマスタッフ札幌支店が入居する札幌毎日会館 ©財界さっぽろ

 本誌は今夏にこの事実をつかみ、両自治体に情報公開請求を行った上でそれぞれ取材。それを受けてそれぞれ調査を行った結果、11月初旬にそれぞれ事態を公表した、という経過をたどっている。本誌が入手した資料などから、どこよりも詳しく不正の実態を明らかにする。

【特集】山内惠介“覚悟と挑戦”

 今年4月号以来となる歌手・山内惠介さんの最新コンサートとインタビューをお届けする恒例特集。

山内惠介さん ©財界さっぽろ

 今回は10月26日に行われた今年のツアー札幌・カナモトホール公演の模様を大増グラビアで紹介するとともに、今年40歳を迎えた山内さん本人を直撃。SNSで募集したアンケートの気になる回答、歌詞を多く手がける直木賞作家・桜木紫乃さんへのインタビューなど、今回も“惠ちゃん”の魅力が満載だ。

疑惑しかない 渦中の樽井功会長は回答拒否 JA北海道中央会役員“一気飲み”強要

 北海道農業の司令塔・JA北海道中央会にまつわる疑惑の続報。今年9月、同会本所役職員らで開いた懇親会の席上、事務方トップの専務理事があろうことか一気飲みを部下に強要して回ったという。

 本誌は10月初旬、同会に対して事実確認を求める質問書を送付。だが回答しないとの返事があったため、10月13日に当社ニュースサイト「財さつJP」独自公開記事として報じていた。

JA北海道中央会会長の樽井功氏(左)と同会専務理事の柴田倫宏氏 ©財界さっぽろ

 記事内では送付した質問書自体も公開し、10月31日のJAグループ北海道定例記者会見にて、同会会長の樽井功氏に同じ質問をすると予告。だが樽井氏は「個人的な事案」として回答を拒否した。当日何が起きていたか、会見後に言い放ったある事務方の語るに落ちる一言、などを詳報する。

清水誠一理事長(元衆院議員)は「捏造だ」と主張 帯広北高校男子寮“ビンボーメシ”写真の謎

「育ち盛りの男子高校生、それも部活動に取り組む子が、こんな粗末な食事を摂らされている」――そう切実に訴えるのは、学校法人「帯広渡辺学園」が運営する帯広市内の私立高校「帯広北高校」の同窓会関係者。同高は運動部の活動に力点を置いており、2019年度に新しく男子寮「清北寮」を建設。十勝管内各地から、甲子園2度出場の男子硬式野球部を始め20人あまりが生活している。

帯広北高校男子寮で提供されていた食事の例 ©財界さっぽろ

 だがそこで出されている食事が、おおよそアスリートを目指す高校生に貧相な内容なのだという。本誌はその実例の写真を入手。確かに、育ち盛りならずとも物足りなさを感じるおかずがそこには並んでいた。だが、この写真は学校側も入手しているという。同学園理事長は数年前から元衆院議員の清水誠一氏が務めている。本誌が学園側に取材を入れると、すぐさま清水氏本人から連絡があった。氏が語るその内容とは……。