【速報】吉川貴盛元農水相が衆院議員辞職!補欠選挙は4月25日投開票、北海道2区の最新情勢は?

首相の菅義偉氏とは当選同期で総裁選選対本部事務局長も務めた吉川貴盛氏 ©財界さっぽろ

 きょう12月21日夜、元農林水産大臣で北海道2区選出の自民党衆院議員、吉川貴盛氏が健康上の問題を理由に議員辞職を表明した。

 11月下旬から東京都内の病院に入院している吉川氏は「慢性心不全により入院治療をおこなっているが、近日中に手術を受けることになった」とコメントを発表。術後は議員の職責を果たすことが難しく、国民の負託にこたえる活動ができなくなることを辞職の理由とした。

 小選挙区選出の議員が辞職した場合、公職選挙法の規定によって、補欠選挙がおこなわれる。今回の場合、その日程は来年4月25日日曜投開票と決まっている。

 吉川氏については、農林水産大臣時代の2018年に、広島県の鶏卵生産大手「アキタフーズ」元代表から現金を受け取った、という疑惑が持ち上がっていた。発売中の月刊財界さっぽろ新年特大号では「“鶏卵収賄”疑惑」として特集記事として報じているが、これまで8回の選挙で勝利は4回だけで比例復活が2回、バッジを失うこと2回という“選挙に弱い”吉川氏の地元情勢についても解説した。

 吉川氏の地盤である道2区は、札幌市北区の大部分と東区で構成されている。だが、後志管内余市町出身の吉川氏に対し、2区内の自民支持層には“地元の候補ではない”として、兼ねてから反発がある。

 それが表面化したのが、2019年4月の札幌市東区での北海道議会議員選挙。当時、吉川氏は農水相時代に大臣秘書官として採用、国会追及を受けた次男・統勝氏を擁立しようと画策。その際、自民所属の現職道議に“禅譲”を迫ったとして、東区内の自民党支部役員が猛反発し、擁立断念に追い込まれていた。この時のしこりは未だに残っている。

 一方、今年9月に立憲民主党と国民民主党の一部が合併。国民の2区候補だった衆院元職の松木謙公氏は、11月に晴れて立憲民主党2区候補となった。

 先週12月17日には、これまで袂を分かっていた立憲系の関係者なども含めた合同選対本部が立ち上げ。元連合北海道会長で、松木氏と旧知の仲という高柳薫氏が本部長に就任した。

 ただし、北海道委員会の本部がある共産党も、前札幌市議会議員の平岡大介氏を擁立している。立憲との選挙区調整は党本部レベルでもまだ始まっていないといい、これからの作業となる。

 このほか新年特大号の本誌記事では、日本維新の会や公明党の動きについても解説している。

 なお、補欠選挙で当選した議員は、吉川氏の残り任期に準ずることになるため、来年10月21日で任期の満了を迎える。要するに来年だけで2度、選挙を戦うことになる。

 明けて新年1月15日発売の財界さっぽろ2021年2月号では、吉川氏の後継として自民党から挙がる候補の一覧や四分五裂する自民党北海道支部連合会の人脈相関図など、この問題をさらに深掘りする予定だ。

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