渡部建設

豪雪地沼田町で農業や生活に欠かせない事業を展開
沼田町を拠点に、今年で創業58年を迎える。北空知全域で農業土木を手掛け、基幹産業である農業を支える。特に降雪が多い沼田町には不可欠な「温床除雪」を手掛けている。
渡部克裕社長は「沼田町は積雪が多く雪解けを待つと田植えの開始が遅れてしまいます。温床除雪とは、その対策として3月に除雪して、育苗のためのハウスを建てることで、農作業に遅れが出ないようにする方法です」と話す。
農業土木以外でも重機作業が強み。バックホー28台、ブルドーザー11台、タイヤショベル5台、ダンプ3台をそろえ、土木、解体事業も展開する。北空知全域で官公庁やJRから工事を受注し、公園の改修や駐車場整備、公共施設や一般住宅の解体を手掛ける。
沼田町からの委託で町内に10カ所ある全ての公園やパークゴルフ場、用水路、「沼田式雪山センター」などの管理も担う。雪山センターでは約5000㌧の雪を保存し、冷熱源として夏の冷房や暑さに弱い農作物の生産に生かすなど、沼田町が掲げる雪の利活用に貢献している。
また、JR石狩沼田駅周辺の線路の草刈りや除雪も行うほか、三井物産フォレスト(本社・東京都千代田区)が沼田町内に所有する天然生林「沼田山林」の管理も担っている。
一方、農作物の生産・販売事業として自社でイチゴ、トマト、アスパラを栽培。卸売市場や深川市の道の駅で沼田町産の農産物として販売し人気を博しており、地域の魅力発信や雇用の創出につなげている。
このほか、グループ会社「ワタナベ」では産業廃棄物運搬を行うなど、業務内容は多岐にわたる。
「冬は本州など雪がない地域で仕事をする同業者も多いですが、当社には豪雪地帯である沼田町の冬の生活や産業を支える役割があります。〝地域に根付いて〟が創業者である先代社長からの変わらぬ思いです」と渡部社長。
地域貢献も積極的で、沼田町にある小中学校のグラウンドの雪割りや農地の草刈り、観光イベントとして有名な「沼田町夜高あんどん祭り」での臨時駐車場整備などをボランティアで行っている。
「次世代に農業土木をはじめとした技術を受け継ぎ、将来にわたり地域を守っていきたい」と渡部社長。



