かわむら整形外科

骨卒中の予防に向けてリエゾンサービスを提供
1970年の開院以来55年間にわたり、地域医療に貢献している「かわむら整形外科」。富良野市を中心とする上川・空知管内で存在感を高めており、整形外科の空白地帯とされる芦別市や赤平市からの来院も多い。
整形外科領域の幅広い疾患に対応し、2001年からは人工関節手術を行っており、24年末時点では1730件(膝と股関節の合計)を数えている。
膝など下肢疾患を専門とする川村大介理事長は「人工関節手術には骨の丈夫さも重要」と日本骨粗鬆症学会認定の専門医として骨粗しょう症に対する治療と予防、啓発体制を構築。国内で100施設が認定されている国際骨粗鬆症財団(IOF)の認定を、道内で4番目に取得している。
川村理事長は「高齢者が大腿部骨折した場合の5年生存率は、主要5大がんより悪い40%とされ〝骨卒中〟とも呼ばれる。超高齢化が進む近年は注視されている」と警鐘を鳴らす。
骨折後の生存率が低いのは、骨そのものが弱いため、治りきらず再発したり、転倒による寝たきりで肺炎などの合併症を起こすリスクが高いことによる。骨折治療とともに食事療法、運動療法、薬剤療法などで骨を強化する骨粗しょう症治療を行う必要があるが、長期間にわたるため本人のモチベーションが低下しやすく、治療継続が難しい。
同院では、15年から骨粗鬆症マネージャー(民間資格)の看護師や放射線技師、理学療法士などのスタッフらが連携し、骨粗しょう症に対する治療や予防を行うリエゾンサービス(OLS)を提供している。患者への治療はもちろん、治療の継続率を高める取り組みや患者への啓発活動、院内スタッフによる勉強会、学会への研究発表なども行う。
「骨粗しょう症は連鎖して〝ドミノ骨折〟を引き起こす。骨密度診断だけでは予測できないことから問診やレントゲン、血液検査などを併用します。改善には骨形成促進薬などの新薬、内服薬、専用コルセットなども積極的に導入しています」と川村理事長。
また、市民公開講座など、骨粗しょう症の予防に向けた啓発活動にも病院全体で取り組んでいる。
川村理事長は「予防には日常でできる筋トレや20分程の散歩といった運動療法を推奨しています。ただし骨密度のピークは20代。特に女性の場合は過度なダイエットを行っている場合もあり、若いうちからの対策が重要」と話す。
●診療科目
整形外科、リウマチ科、リハビリテーション科
●診療時間
月・火・水・金 8:30~11:30、13:30~17:00
木・土 8:30~11:30
●休診日
日曜・祝日


