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カレス記念病院

長谷 龍之介 呼吸器外科部長
はせ・りゅうのすけ/1998年旭川医科大学医学部医学科卒業、2006年北海道大学大学院医学研究科卒業。北海道大学第二外科、札幌南三条病院呼吸器外科医長、製鉄記念室蘭病院呼吸器外科部長を経て、25年4月に同院呼吸器外科部長着任。日本呼吸器外科学会呼吸器外科専門医。

手術支援ロボットによる肺がん治療に豊富な実績

 日本人の死因1位のがん。中でも肺がんは、がんの部位別死亡者数で男性が1位、女性が2位(2023年の人口動態統計・厚生労働省)で、特に北海道民は喫煙率が高く、肺がんの都道府県別死亡率で断トツの1位となっている。

 長谷龍之介医師は、今春開院したカレス記念病院に新設された呼吸器外科部長として4月に着任。3月まで製鉄記念室蘭病院の呼吸器外科部長として、肺がんのロボット支援下手術で実績を積んできた。

 長谷医師が在任中(19年3月20日~25年3月31日)の製鉄記念室蘭病院の肺に対する手術支援ロボットによる手術数は430症例と道内で最多。東日本でも順天堂大学病院や東京女子医大などに次いで6番目となっている。

 ロボット手術は、18年4月に保険適応となり急速に浸透。長谷部長は19年に主体の術式を胸腔鏡手術からロボット手術に移行している。

「開胸手術に比べ切開部分が小さく低侵襲で体への負担が少ないのが特徴です。人間の手より大きな可動域と手ぶれ補正機能で格段に精度も高く、見づらい部位へのアプローチにも優れています。肺漏など術後合併症の発生件数は胸腔鏡手術の半分以下となっています」とその優位性を語る。

 豊富な執刀数から得た長谷部長のデータは、ロボット支援下肺葉切除術に関する多くの学会で発表。全国学会で25回発表されたほか、多くの講演会や手術指導を行ってきた。

 カレス記念病院は、320床で民間の医療機関では札幌都心部最大規模。循環器外科を含め24の診療科を標榜している。

「ハイブリッドオペ室には手術支援ロボットに加え、血管内治療と外科的手術を同時に行える3次元画像ナビ機能とX線血管造影装置を備え、術中にCT画像も確認できるなど安全性も向上しました。また病室は全室個室で個室料金は取っていません。セル看護方式を導入するなど機能性も高く、迅速な対応ができます。当院は道内各地からのアクセスも良く、より多くの患者さんを救いたい」と長谷部長。

 呼吸器と関連性の高い口腔環境の向上を提唱するなど他部署と連携にも取り組んでいるほか、中学生ら若年層を対象としたがん予防の啓蒙活動にも取り組んでいる。

肺の支援ロボットによる手術で豊富な実績を持つ
術中にCT画像も確認できるハイブリッドオペ室
カレス記念病院はJR札幌駅から徒歩10分。駐車場も約180台を収容する