丸ウロコ三和水産

M&Aと独自プロモーションで成長。トラックも広告塔に
紋別市に本社を構える「丸ウロコ三和水産」を筆頭に、浜頓別町の「横田水産」、枝幸町の「壽綜合商事」で水産加工会社のグループを形成。雄武町、興部町、湧別町を含む6単協からホタテをはじめとする各種海産物の仕入れ体制を確立し、量販店や商社に販売している。2024年2月期の売上高はグループ合計で104億円を突破し、今期も増収増益を見込む。
22~24年にかけて「横田水産」と「壽綜合商事」を買収。原料の仕入れ量を拡大して急成長を遂げている。
今年3月には3社を束ねる持ち株会社「オホーツクセンチュリーホールディングス」を設立。新たなポストの創出にも着手し、性別や国籍を問わない幹部への登用を進めている。
「『オホーツクのホタテを食べたい』から『三和水産のホタテを食べたい』という消費者を増やしたい」と山崎和也社長。エンドユーザーへの販路拡大にも注力し、ふるさと納税返礼品の採択をはじめ、ECサイトの構築やパッケージングにこだわった贈答用商品も開発。自社のSNSでは海産物の魅力を発信すべく、和洋中の多彩なレシピを公開。購買層の拡大につなげている。
さらに官民共同の催事の開催や、地域を舞台にした映画への出演および撮影場所の提供、レバンガ北海道のスポンサードなど、元来〝黒子役〟だった水産加工業界の慣例にとらわれないプロモーションも成長を促進している。
一方、トレーサビリティーの強化と輸送品質のさらなる向上を図り、7月から物流会社「ティーアールネットサービス」(本社・札幌市)との共同事業を開始する。最新の冷凍機を搭載した同社専用のトラックの側面には、ホタテやカニ、いくらなどをペイント。オホーツクの海の幸を日本全国に届ける〝走る広告塔〟として、段階的な増車を計画している。

