ほっかいどうデータベース

にじのいろ保育園

札幌市認可保育園の「平和にじのいろ保育園」

保育と療育の両輪で、子どもの可能性を引き出す

「わが子を安心して預けられ、個性を大切にしてくれる場所をつくりたい――母親としての実体験が、この保育園づくりの出発点でした」と語るのは、札幌市西区を中心に保育・療育施設を展開する「叶夢楼」の高橋朋子社長。現在、札幌市内で3つの認可保育園と5つの小規模保育園A型を運営。「にじのいろ保育園」のブランドで、地域に根ざした保育を実践している。

 同園が掲げる理念は「よく遊び、よく食べ、よく学び、よく育つ」。人間形成において最も重要な幼児期の心と体の健やかな成長を促す保育を追求している。

 その核となるのが〝体験〟を重視した多彩なカリキュラムだ。英会話やバレエ、空手、サッカー、スキー、陸上などの運動・表現活動を通じて、非言語コミュニケーション力や協調性、創造力を育成。さらに、YOSAKOIソーラン祭りへの参加など地域とのつながりも大切にし、子どもたちに豊かな経験を提供している。

「〝できた!〟という成功体験の積み重ねが、子どもの自己肯定感を育てます。共働きで習い事に通わせることが難しい保護者の負担軽減という意味でも、保育の一環としてこうした体験の機会を設けています。感性や社会性も自然と育まれていきます」と高橋社長。

 また、注力しているもう一つの取り組みが〝保育〟と〝療育〟の両立だ。

 児童発達支援・放課後等デイサービス「にじっこらんど」3施設を展開し、発達に課題や特性を持つ子どもに対して、個別・小集団での療育を提供。心身の成長を多角的に支えている。

 高橋社長は「療育に通うことは、障がいを認めることではありません。これは、集団生活に適応するための準備であり、将来に向けた一歩です。保育園と行き来できる支援体制は、市内でも珍しい取り組みです」と話す。

 少子化や人手不足、保育ニーズの多様化など保育業界は転換期を迎えている。

今後は、職員のキャリア形成支援にも力を入れ、働きやすく質の高い保育現場の整備を進める方針だ。

「保育園はただ子どもを預ける場所ではなく、人生の土台を築く大切な場所です。保護者の皆さまと信頼関係を築きながら、地域に必要とされる〝オンリーワン〟の保育園であり続けたい」と高橋社長。

年間行事の他にも、さまざまな活動を通じて心身の発達を促す
高橋朋子社長
専門スタッフが一人ひとりと向き合い子どもの発達を支援する