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札幌創成高等学校

創立60周年を迎えた2023年に制服をリニューアル

入学者が急増。ワンランク上の進路を実現する体制を構築

 近年、進学実績が著しく向上し、入学者が右肩上がりの「札幌創成高等学校」。

 2025年度は、北海道大学をはじめ国公立大学に54人が合格(過去最多)。慶應、上智、明治など、道外難関私立大学には14人が合格した(既卒生を含む)。

 好調の要因が、〝3つのTRY!〟をテーマにした教育方針「SOSEIシステム3・0」だ。

 小出靖高教頭は「本校が重視するのは〝TRYする力〟を身につけること。その軸となるのが『自分で考える』『みんなで学ぶ』『なんでもやる』の3つです。一見当たり前と思いますが、3年間意識して取り組み続けることは想像以上に難しい。本校でのさまざまな活動を通して、これらの能力を磨き成長を後押しします」と語る。

 その一環として、入学直後の宿泊研修では自己分析などを行うほか、入学後1カ月間は担任との個別面談を毎日実施。将来像の意識付けを徹底的に行う。

 また、生徒の目標達成やPDCAサイクルの構築を目的とした「学習マネジメントノート」を導入。学習記録や1日の目標、部活動の様子などを生徒が文書化するもので、毎朝提出して担任がコメントを記入し、その日のうちに返却する。生徒との接点を毎日持つことで、担任のマネジメント能力の向上にも寄与している。

 コースは3つ。「S選抜コース」は、難関国公立大学を目指す。「A特進コース」は、文武両道を実践し国公立大学や難関私立大学への進学が目標で、「特進コース」は、進学や就職など多様な進路に対応している。全コース共通で、2年進級時にコース変更が可能。希望大学の実現に向けた適切なコース選択や目標設定などの助言も行っている。

「S選抜とA特進コースは毎年進級時に、進路担当教員と面接を実施します。模試や試験結果、担任からの情報など、あらゆるデータをもとに、生徒のポテンシャルを最大限に引き出します。近年はA特進コースの伸びが顕著で、希望進路のワンランク上を達成することも少なくありません」と小出教頭。

 こうした取り組みを進め、入学者数は徐々に増加。24年度は10年前と比較し、1・6倍を記録した。

 また、ICT環境も整備。思考力・判断力・表現力の育成に役立つ専用のクラウドソフトを全生徒のタブレット端末に導入。時間や場所を選ばず学べる学習環境を構築したほか、オンライン上で担任とのやりとりが可能となるなど、学習の効率化も実現する。

「学習マネジメントノート」を導入
部活動も盛んに行われている
星川定行理事長