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藤女子中学校・高等学校

アイルランドの姉妹校と共同授業を実施

伝統を守り創立100周年。高校3カ年コースを新設

 北海道の女子教育をリードし、今年で創立100周年を迎えた伝統ある名門進学校「藤女子中学校・高等学校」。

 節目を迎えた今年度から「高校3カ年コース」が新たにスタートした。石川直美校長は「次の100年に向かって、高校からの入学という新しい門戸を開きました。これまでの伝統はそのままに、カトリックの精神を幅広い人に届けていきたい」と語る。

 人間教育に注力する同校では、キリスト教の基軸である「他者のために尽くす心」という奉仕心を育んでいる。

「〝藤〟の生徒は見返りを求めず、助け合いながら協力するという優しい心を持った人たちであふれています」と石川校長は語る。

 1日の始まりは瞑目を行い、その日その時間を大切に過ごせるように心を落ち着かせる。校舎に隣接した聖堂ではミサや、さまざまな宗教行事が行われており、人格形成の一端を担う。

 世間のジェンダーバイアスから離れた環境に身を置くことも、人間力の向上に寄与するという。

 石川校長は「〝女性だから〟と枠にはめられることなく、個性を発揮することができます。本校ならではの環境で、自身の価値を認識し能力を伸ばしてみませんか」と呼びかける。

 授業は1コマ65分。ティーチングやディスカッション、リサーチなど、バリエーションは豊富だ。集中力や考察力、想像力を引き出し、生徒の可能性を広げている。

 国際教育にも注力。姉妹校であるアイルランドのカトリック女子校との国際交流事業をはじめ、ドイツの修道院を訪れるカリキュラムや、長期休暇を利用したオーストラリア・カナダ・イギリスへの海外研修など、さまざまなプログラムを用意。世界各国の文化や考えを学ぶことで、豊かな人間性を育むことができる。

 また、大学との連携も強化。北海道大学の講義聴講や上智大学の特別講座をオンラインで受講できるほか、隣接する藤女子大学の図書館が通年開放されており、自習に励む生徒も多い。

 今年度の入試実績は、北海道大学をはじめ国公立大学に17人が合格。姉妹校の藤女子大学と天使大学など道内私立大学に114人、慶應、上智、明治など難関大学を含む道外私立大学に45人が進んだ。

 高い進学実績を残す同校だが、進学至上主義ではない。

「将来の夢はさまざまなため、一人ひとりの〝なりたい自分〟を尊重し、サポートします。〝藤〟におけるさまざまな体験を通じて、自身の可能性を広げてください」と石川校長は語る。

実験や観察を通して、五感で学ぶことを重視
石川直美校長
クリスマス会では、聖書の言葉に耳を傾け、祈りを捧げる