エーエス

高い技術力と対応力で高評価を獲得する技術者集団
気体や液体といった、流体の輸送などを目的に設置される配管は、床下や天井裏など人目につかない箇所で人々の生活や仕事を支えている。
配管工事を主事業とする「エーエス」は、「ココノススキノ」や「創世1・1・1区(さんく)」「札幌北辰病院」、日本一の超高層ビル「虎ノ門ヒルズ森タワー」(東京都港区)などの大規模な配管工事に携わってきた。
毎年実施される新千歳空港の空調配管更新工事ほか、直近でも今年4月にオープンした「札幌4丁目プレイス(旧4プラ)」の配管工事も担当している。
昨年には「エスコンフィールド北海道」など、全国の主要施設で設備工事を手掛ける斎久工業(本社・東京都千代田区)の協力会に入会。今年、わずか1年で幹事に任命されたことも業界内で話題となった。若手人材の積極採用や育成方針など、将来を見据えた経営手腕が高く評価された結果だという。
會澤勝社長は「社会に欠かすことのできない小さな歯車の一つとして、当社の役割は大きくなっていると感じます」と話す。
高い評価を獲得している要因は技術力の高さやフットワークの軽さなどさまざまあるが、特筆に値するのが対応力だ。
配管工事には、トイレやキッチンなどの給排水管に関わる衛生配管、冷暖房などの空調配管、消火配管などの種類がある。同社では、これらすべてをワンストップで対応。構造やシステム、施工方法、関連法律などがそれぞれ異なるため、すべてに対応できる配管工事会社は少ないという。
會澤社長は「特に消火配管は、消防法施行令規則で細かな規定があるため対応が難しい。当社では、厚生労働省の『ものづくりマイスター配管』保有者である私のほか、登録配管基幹技能者が対応しています」と優位性を語る。
また、配管加工や架台製作を行う自社工場を所有しているのも同社の強み。あらゆる状況に対応できるだけではなく、工期の短縮にも貢献している。
従業員のスキルが高いのも特徴の1つだ。若い技術者が多いうえ、北海道配管事業協同組合で労働委員長を務める會澤社長のもと、それぞれの適正に応じた技術を習得。資格取得も会社が徹底してバックアップしている。こうした取り組みが奏功し、5年前と比較して従業員は3倍に増えている。
「現状に満足することなく、さらなる飛躍に向けて外国人労働者を含めた人材確保策も思案しています。再開発計画など建築ラッシュが続いており、依頼は舞い込んでくるが、人材不足で断っている状態です。早急に体制を改善して、期待に応えていきます」と會澤社長。

