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建設管理センター

合格者累計32万人。施工管理技士育成の全国最大手

 慢性的な人材不足と有資格者の確保に悩む建設業界。特に中小企業にとって、施工管理技士の確保と育成は事業の存続に関わる重大なテーマだ。一方で、現場業務と並行して社員に資格を取得させるのは時間・労力ともに負担が大きく、生産性低下を招くというジレンマも抱える。

 この構造的な問題にいち早く向き合い、実務者目線の学習法で資格取得を支援してきたのが「建設管理センター」だ。

「資格取得支援を通じて建設会社の技術と経営の発展に貢献することが我々の使命です」と語るのは、創業者の音喜多忠雄社長。現場経験に裏打ちされた視点で業界の発展に尽力してきた。

 1988年の創業以来、施工管理技士の国家資格取得に特化した講座を展開。現在は札幌本社のほか、仙台、東京、名古屋、大阪、熊本にも事業所を開設。さらに、全国90カ所の公共施設とも連携し、主要50都市で講座を開催している。全国の建設業者7万社と契約し、毎年約1万5000人が受講。これまでに輩出した合格者は32万人を超え、今や、単なる試験対策スクールの枠を超え産業支援の一翼を担う存在へと成長。全国最大手の資格支援機関としての地位を確立している。

 注目すべきは、合格率の高さだ。建築や土木、管工事など資格の種類によって異なるが、施工管理技士の一般的な合格率は3~5割程度と言われる中、同社では5~7割と高水準を安定的に維持している。

 これを支えるのが、すべてを自社で完結する独自の教育体制だ。講師の採用・育成から教材の開発、カリキュラム設計に至るまでを内製化。全国どこで受講しても同じ質の講義を提供できるよう、内容を標準化して講師ごとの〝教え方のばらつき〟を排除している。

 さらに特筆すべきは、合理的な戦略だ。同社が掲げるのは、合格に必要な6割の得点を目指す〝6割戦略〟。過去の出題傾向を分析し、合格に直結する重要ポイントだけを厳選した無駄のないカリキュラムで、受講者を最短ルートで合格へ導く。

 講義は1回6時間30分を全8回で完結。月1回の長期コース(8カ月)と月2回の短期コース(4カ月)を用意し、事業者に寄り添った受講プランを提供している。加えて、論文試験の個別添削やオンライン講座の充実、願書指導、関連書類の手配、不合格者へのフォローなど、きめ細かなサポート体制も高く評価され、受講者の7割が紹介やリピーターで占めている。

「資格の有無が技術者の価値を大きく左右する。小さな企業でも人材が育てば会社を支える大きな力になる。それが全国で何万人と育てば建設業界の未来そのものが変わる」と音喜多社長。

頻出分野を分析したカリキュラムと教材で短期間で合格を目指す
音喜多忠雄社長
自社で所有する本社ビル(札幌市中央区)