イーエスジーマネジメントが東北で業務資本提携

医療廃棄物処理の道内最大手「イーエスジーマネジメント」(本社・札幌市、安原浩司会長)が2月、秋田県の「ユナイテッド計画」と業務資本提携を締結。持ち株会社社「URTホールディングス」に加わりIPOを目指す。
産業廃棄物や特別管理産業廃棄物(感染性廃棄物)の収集・運搬・処理を一括して手掛けるイーエスジーマネジメントは、子会社のESGを通じて、石狩市や苫小牧、七飯町、空知に拠点を設けているほか、上富良野町に2基の焼却炉を持つ中間処理施設を稼働させている。
取引先は、病院や医療施設など業界トップの約4000施設に上る。中でも札幌圏のシェアは約40%に達しており、道内医療業界を強力に下支えする存在。2024年12月期のグループ全体の売上高は34億円を越える。
今回、業務資本提携したのは秋田県秋田市に本社を置く「ユナイテッド計画」(平野久貴CEO)。東北エリアでイーエスジーマネジメントと同様に産業廃棄物処理・処分事業を手掛けるほか、建設土木・舗装や解体工事、バイオマス発電などの再生可能エネルギー事業も行っている。
今回の資本提携には、秋田銀行がアレンジャーとして参画。三井物産、SMBC、日本政策投資銀行が共同運営する投資事業会社「MSD企業投資」が出資して、昨年10月に新たな持ち株会社「URTホールディングス」(本社・秋田県秋田市)を設立。両者を事業会社として27年4月のIPO(新規株式公開)を目指している。
2月13日に秋田市内で行われた記者会見には、安原会長のほか、平野ユナイテッド計画CEO、安田浩MSD企業投資社長、芦田晃輔秋田銀行頭取が出席。
安原会長は「今回の提携により、技術やノウハウならびに顧客ネットワークを共有して、新規取引の開拓やグループ間の人材交流・育成などを推し進めたい。業界のリーディングカンパニーとして事業の拡充、SDGsの実現を目指した取り組みも行っていく」と語り、経済産業省が推進する『産業競争力強化法(令和6年改正)』に則った積極的な設備投資や、革新性に富んだ技術とビジネスモデルも構築していく方針。
同社は、ESGの子会社「メッドトラストESG」(栃木県鹿沼市)を通じて、北関東エリアにおいても医療廃棄物の収集・運搬事業を展開しエリア内でトップシェアを獲得しており、今回の提携で、東北エリアでも存在感を発揮することになる。安原会長は「27年の上場に向けまい進して基盤を固め、増大する医療廃棄物処理の対応で社会に貢献していきたい」と意欲的に語っている。
