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【特別対談】TK・ワークスグループ 事業承継は目前グループ拡大と発展のための準備を推進中

瀧澤 肇
(写真中央)
TK・ワークス社長兼イエローウィング協同組合理事長

土木工事全般を主軸とする「TK・ワークス」(本社・苫小牧市)と外国人技能実習監理団体・登録支援機関の機能を持つ「イエローウィング」(本部・苫小牧市)。この2社を一代で築いた瀧澤肇社長兼理事長は、3年後を目処とした世代交代を見据えている。事業承継に向けて次期社長・理事長候補との特別対談を実施した。

3年後を目処にスムーズな事業承継を

――TK・ワークスは本州でも活躍されていますね。

瀧澤肇 昨年度は売上高が過去最高を達成しました。道内では新得町と清水町で高速道路の土工事、伊達市で砂防ダム工事。また道外では新潟県や岡山県で太陽光発電所の建設など、大型案件が増えています。

――イエローウィングの事業はどうでしょうか。

 これまでの建設業に加えて、食品加工と介護業向けの人材斡旋が始まりました。また、外国人労働者はベトナムやフィリピンなど東南アジアが中心ですがウズベキスタンへ視察に行き、新規開拓もできました。今後、積極的に人材を斡旋していく計画です。

――事業が安定、拡大していく中で世代交代を考える理由はなんですか。

瀧澤肇 安定しているからこそ、早いうちに次世代へつないでいくべきだと判断しました。3年後を目処に、スムーズに継承を行っていく予定です。

――3年間でどのような準備を考えていますか。

瀧澤肇 商売における一番の鉄則は「お客様を大切にする」ことに他なりません。そのために人員を増やして、設備も強固にする。3年でできる限りのことをして、それぞれに渡したいと思っています。

――一方、引き受ける側としてはどのように考えていますか。

瀧澤僚貴 もちろん自分自身のスキルアップは当然ですが、会社が発展するためには強固な組織づくりが欠かせません。3年間のうちに、社長のサポートをしながら人材育成と適切な人材配置などができるよう、新たなシステムを構築していきたいと考えています。

 瀧澤理事長がよく言っているのは「いい組合であれ」ということです。僕もその言葉を大事に継承していくつもりです。

具体的には、理事長から教えていただいたことに対し理解を深めながらその教えに対しどう動いていくのか、この3年間で自分なりの答えを出したいと思います。

会社を守ろうとせずチャレンジを

――残すべきカラー、新しく挑戦したいことは。

瀧澤僚貴 当然、人を大切にするという風土は当社の良いところですから残していきます。

加えて、労働人口の減少による人材不足が顕著となっているため、AIなどの先進技術を積極的に活用し、効果的な人材サポート体制を構築します。同時に時代のニーズに即し事業を展開、推進していきたいと考えています。

 外国人労働者の分野は歴史が浅く、法制度も変わりやすい。柔軟な体制を整えていくことが求められています。

これまでと同様に、事業環境の変化に対応できる強固な体制づくりをしていきたいと考えています。

瀧澤肇 事業を始めた当初は小さい会社で、いただいた目の前の仕事をするので精一杯でした。しかし、今はそれなりに資金も用意できるようになりました。これを活用し、いろんなことにチャレンジしてもらいたいと思っています。

新しい技術を導入し、新しい分野を開拓し、新しい地域にも飛び込んでいく。柔軟な考えを持って時代の要請にうまく対応してほしいと思っています。

――最後に、どのような会社にしてほしいと考えていますか。

瀧澤肇 今の時代では当たり前のことですが、従業員とその家族を大切にする会社であってほしい。会社の発展に比例して、従業員もその家族も幸せになってもらいたいと願っています。

事業としては、拡大するために柔軟な考えで創意工夫をして努力を惜しまずにやってほしいです。TK・ワークスは、お客様を大切にしながら地元に貢献できるよう努力し、要請があれば全国どこへでも赴き施工できる体制整備かつ、安全で良い施工を目指してほしい。イエローウィングは、日本企業と外国人労働者の架け橋となって企業や労働者が相談しやすい環境を作り、外国人労働者も日本に来て良かったと思われるようなサポートができる良い組合になってほしいですね。

2代目は会社を安定させようと守勢に入ることが多いとも聞きますが、せっかく自分で経営できるチャンスです。2人には新しいことにどんどんチャレンジしてほしいと思っています。

(ききて・氏家)

瀧澤 僚貴
TK・ワークス取締役
門 洸司
イエローウィング協同組合専務理事