ベル食品
道産ソウルフードのパイオニアが朝食・スイーツ市場に参入
タレやスープを通じて、北海道の食文化の普及と拡大、ブランド力向上に貢献してきた「ベル食品」。看板商品の「成吉思汗たれ」を筆頭に「ラーメンスープ華味」、「本日のスープカレーのスープ」などが有名だ。ほかにも、レトルト食品や鍋つゆ、だしなど〝北海道らしさ〟があふれる商品を発売。北海道のソウルフードを家庭に定着させたパイオニア的存在といえる。他のメーカーとは異なる独自路線を歩み、北海道の風土に根付いた商品を開発していることが同社最大の特徴だ。
中でも、スープカレー関連の商品はファンが多い。業界に先駆けて開発したレトルトタイプの「札幌スープカレー」や自宅で簡単に調理ができるペーストタイプの「スープカレーの作り方」、有名店の味を再現したOEM商品などを手掛けており、現在も新商品の開発に力を入れている。こうした人気商品のカテゴリーを強化することで、他社と差別化を図り競争しない戦略を実践している。
昨年8月には、初めて朝食とスイーツ市場に参入した。パンやクラッカーに塗って食べる「北海道バタースプレッド」シリーズは、レーズンやハスカップなど全4種類が発売され、朝から北海道を感じることができると好評を博している。
また「北海道プリン」は、調味料の開発で培った常温保存技術を生かしたスイーツで長期保存が可能なため土産にも最適。
「北海道プリン」は、今年3月に一般社団法人日本フードアナリスト協会が主催する「第61回ジャパン・フード・セレクション」で〝金賞〟を受賞。舌触りが滑らかで口溶けも良く、土産として好まれるなど、さまざまな観点から高い評価を受けた。
福山浩司社長は「牛乳の消費量は年々減少傾向にあり、一部は廃棄されるなどと厳しい状況が続いています。〝北海道のソウルフードメイカー〟として道産牛乳の消費拡大に貢献したいという思いから誕生したのが『北海道プリン』です」と語る。
現在は札幌市の狸小路内にある「たぬきや」と公式オンラインショップ中心での販売だが、今後は販路を拡大し、道内主要土産店での販売も目指している。
「まずは多くのお客さまに召し上がって頂き、美味しさを知って欲しい。今後はスイーツ事業が新たな柱となるよう、ラインアップを拡充していきたい」と福山社長。