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北辰

23年4月オープン予定の農試公園イメージ図

自社一貫で公園整備を受託。遊具のメンテナンスにも力を注ぐ

公園のトータルコーディネートを請け負う「北辰」。遊具などの公園施設の開発から製造、設置、メンテナンスを一貫して手掛ける。道内全域の公園を対象にしており、岩見沢本社のほか、札幌や千歳、函館にも営業所を構える。

中でも、力を入れているのがメンテナンスだ。公園施設の定期点検を適切に実施するため「公園施設整備技師」「公園施設安全管理士」の資格を有した従業員が多数在籍。年間800カ所以上の公園を巡回し、8000件以上の遊具の点検を行う。利用者の安全確保には欠かせない存在といえる。

矢野智一営業本部長は「全国的に公園の点検を行える技術者が不足しています。2018年4月の『都市公園法』改正により、年1回の定期点検が法令化されました。こうした背景から、各自治体や施設管理者などから、点検業務の相談が相次いでいます」と話す。

さらに、数が限られた専門の技術者を有効活用すべく、業界団体「公園施設業協会」が認定する道外企業とも連携を強化している。繁忙期の異なる地域の技術者を、相互に派遣することで、点検実施数の底上げを図っており、技術の交流にもつながった。 

遊具のほか休憩施設やウッドデッキ、案内板などの製品開発も行う。中でも好評なのが同社製の「ユニットトイレ」だ。多様なニーズに応えるため、災害時や上下水道が整わない場所でも使用できる自己処理型水洗式やバリアフリー配慮型などを用意した。工場で制作するため、設置作業が短時間で済み、道内各地に納入されている。

このほか、23年4月下旬にオープンする予定の農試公園(札幌市西区)の遊具整備にも携わる。ハンディキャップのある子どもにも配慮した本格的な「インクルーシブ遊具」を、道内で初めて導入する。

「数々の公園整備に携わってきた責任として、全ての施設の点検を行うことが使命です。遊具の維持管理を適切に行うことで、子どもたちが安全に遊び続けられる環境をつくっていきたい」と矢野営業本部長。

16年に新設した本社
資格保有者による点検作業
主力商品のひとつユニットトイレ