ほっかいどうデータベース

カムイトランスストレージ

整備工場前に並ぶ若手従業員。日々の車両メンテナンスは欠かさない

〝必要不可欠〟な企業になるべく、高い輸送品質でニーズに応え続ける

日本における食糧の安定供給に大きく貢献している北海道の食関連産業。全国の食糧産出額に占める割合は約30%と高く、これにともなう食品物流を支える企業も大きな存在と言えよう。

今年6月に創業10年を迎えた「カムイトランスストレージ」も道産食品を全国に輸送している1社。冷凍食品を中心に精肉、鮮魚、農産物などを扱う。業界では珍しく保有する車両のほぼすべてが輸送温度の変更可能で、ドライ、チルド、フローズンの3温度帯に対応。その輸送品質の高さは各方面から高く評価されている。近年は新型コロナウイルスワクチンの輸送や海上コンテナ輸送も手掛けるなど、食品以外の分野にも本格的に乗り出している。

6社内整備も着々と推進中だ。昨年7月には、自社の車両整備工場が国土交通省北海道運輸局札幌運輸支局の認定工場となった。物流企業が自社工場で認証を受けるのは稀で、自前で車両の点検整備や修理、車検まで行っている。

「従来は夜間の故障など、緊急の場合も修理工場が開くのを待つしかなかった。自社で対応可能になったことで業務に支障をきたすことはありません。何より日々のメンテナンスを強化することで故障を未然に防ぐことができる」と竹山弘基社長。

また、海上コンテナ輸送事業の拡大に伴い、今秋には北広島市内に新たな営業所を開設予定。さらに、大型港湾がある北関東への営業所設立の計画もあり、拠点拡張で業務の効率化を図っていく狙いだ。

一方で、竹山社長は「当社は定期便が多く、スポット配送の対応が弱かった。弱点を補うため専門の会社を立ち上げた」と、2019年にはグループ会社「カムイコールドライン」を設立。顧客の多様なニーズにフットワーク良く応え続けている。来春には石狩市近郊に建材輸送に特化した新会社も立ち上げる計画で、さらなる業容の拡大を推し進めていく。

「社名に入れた『カムイ』には、〝姿や形としては見えないが自然界には欠かせない存在〟といった意味があります。当社も〝社会に必要不可欠な企業〟であり続けたいという気持ちを込めました」と竹山社長。

さまざまな車両を保有する
竹山弘基社長
整備工場内はさまざまな機具が並ぶ(上)。認定工場の認証も受けている