アスリートインタビュー

北海道コンサドーレ札幌

【砂川誠のコンサの深層】都倉賢選手

自分を高め向上させることに詳しい

砂川 4月からFMノースウェーブで「TOKU―Radi 9」(毎週土曜朝9時)という自分の番組が始まったね。

都倉 FMラジオの番組には何度か過去に出演したことがあって、自分を飾らずに話すことができるところだと思っていました。新聞やテレビだとニュアンスが伝わらないこともあるから。本当に自分の言葉で伝えられるのはラジオだ、と思ったんです。そうしたら、今回ご縁があって。

砂川 チーム内では「ヨガ部」を結成したよね。どういうきっかけだっけ。

都倉 ヴィッセル神戸所属時代にヨガをイベントで体験して、すごく良かったんですよ。でも飽き性なので1人だと続けられなくて。それでまず、イナさん(稲本潤一選手)に〝プレゼン〟したら、ぜひやろうと。イナさんが動けば、若手もとなって。〝部員〟は6人くらいです。

砂川 俺も実際やったんだけど、すごくよかった。

都倉 終わった後は神経が静まって、筋肉や神経が〝緩む〟んです。

砂川 緩み過ぎて〝オナラ〟したヤツもいた(笑)。

都倉 そうそう(笑)。今は月2回くらい、ヨガの先生を招いています。

砂川 俺はすごい花粉症なんだけど、ヨガをやると鼻の通りが良くなるんだ。

都倉 とくに大きなケガをすると体がずっと緊張しちゃう。深井(一希選手)も「こんなにスッキリするんですね」と驚いてました。ケガがちとか体が固いという人におすすめです。

砂川 自分を高める、向上させることについては、すごく詳しいし、よく取り組んでるよね。俺自身は、とっくんにサッカーで学んだことは一切ないけど(笑)

都倉 コラコラ!(笑)

砂川 スタイルが違いすぎて、マネできないって意味ね。

都倉 僕から一番学んだこと、あるじゃないですか。

砂川 とにかく「長いものに巻かれる」だ(笑)。

都倉 そうそう。郷には入れば郷に従えというじゃないですか。コミュ力です。

砂川 何かちょっと違うんだよな(笑)。でもそれは別にしても、食事のこととかはとても気を使っていて、そこは学んだよ。

都倉 キャンプの時に、伸二さん(小野伸二選手)やイナさんへ食事の蘊蓄のようなものを披露していたんです。そうしたら次からみんな、食べる順番や食べるものが同じになって。20年近くのキャリアがあるのに、僕が言ったことを吸収して変える。貪欲さが違うと感じました。

-----ここから“延長戦”本誌未掲載-----

砂川 昇格に向けての課題というのはどういうところ?セレッソ、エスパルスなど強豪には内容のいいゲームだと思ったし、できていた。しっかりした守備から入るというコンセプトがチームにあるのかなと思うけども。

都倉 いい守備から試合に入っていけている時って、選手同士がピッチ上でいい距離感を保って、コンパクトな時。開幕戦の東京ヴェルディ戦(2月28日)のように、押し込むんだけどロングボールを蹴られて間延びさせられるとビルドアップが安定しません。逆に上手くいくと、セレッソ大阪戦(4月23日)のように、あれだけ攻撃力の高い相手でも崩されずに済みます。

攻撃では想像性やコンビネーションはもちろん必要ですけど、いま1人で局面を打開できる選手がいるわけではなくて、どちらかというとハードワークやチーム力で勝っているところがあります。僕とジュリーニョとウッチー(内村圭宏選手)はそれぞれ違う特徴があるんで、それを踏まえた決めごとをある程度用意しておいて、シンプルにそこへ蹴り続けられる精度と、そこに信じて入り続けることで、得点チャンスは高まると思うんです。

砂川 とっくんが点を取り続けることによって、ジュリーニョのマークが緩くなるというのもあるね。

都倉 ポジションをひとつ後ろに下げたことで、楽しそうにやっている雰囲気はありますね。

できることからやるとするなら、攻撃の面でフィニッシュ前の段階からある程度オートマチックになっていい。身近でできる意識改革というのはそこなんですよね。それが整備されれば波状攻撃もできると思うし、僕やウッチー、前線3人が個々に連動した動きに派生していく。そうやって押し込んでいくことで距離感も自然とよくなると思います。(構成・清水)

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1986年6月16日、東京都生まれ。187センチ・80キロ。川崎フロンターレU―18を経て05年に川崎のトップチームへ昇格。08年にザスパ草津へ移籍し09年にはJ2リーグ戦で23ゴール。10年から13年までヴィッセル神戸に所属し、14年から札幌へ。背番号9、FW